研究課題
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は骨病変のみならず,血管を含んだ全身の石灰化を介して生命予後に影響することが明らかとなり,近年,全身性疾患としてのCKDに伴う骨ミネラル代謝異常が提唱されている。特に高リン血症は、二次性副甲状腺機能亢進症、骨の繊維化、および血管石灰化に関与することから、CKD患者の生体内リン管理は重要視されており、生体内リン代謝調節系の解明と、より良い対処法が望まれている。近年唾液に含まれるリンが血中リン濃度と相関を示すことが、CKD患者において報告されているが、その基礎的研究及び、そのメカニズムは明らかにされていない。また、 脈絡叢はカルシウム、リン調節に近年重要であると考えられている。本研究で申請者は、腎、腸、脳、唾液腺、骨を結ぶリン代謝の新しいクロストーク;ネオ・ミネラル学を展開する目的で検討した。SLC34A2に関する研究; 臓器特異的SLC34A2 ノックアウト マウスの作製、交配を引き続き、ノックアウト群がそろい次第、解析を行い生体内リン代謝調節機構における、唾液腺の役割、SLC34A2の役割を解析した。またリン代謝調節関連分子(PTHR, FGFR, Klotho他)が唾液腺SLC34A2の調節に関連するか確認した。唾液腺においてのみSLC34A2が欠損することは、通常食において唾液へのリン排泄の増加傾向が認められた。また、FGF23, PTH等における唾液リン濃度への影響は認められなかった。SLC34A3に関する研究は、脳脈絡叢におけるSLC34A3、各リン代謝関連因子の発現局在の再確認を中心に検討した。Klothoは細胞内に認められ、SLC34A3は脈絡叢の脳脊髄液側での局在が認められた。脳室へのリン投与に対するSLC34A3の局在変化は認められなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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