研究課題/領域番号 |
23689048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30557236)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 代謝学 / メタボリックシンドローム / アディポネクチン / アディポネクチン受容体 |
研究概要 |
わが国で死因の上位を占める心血管疾患の主要な原因であるメタボリックシンドローム・2型糖尿病激増の主因が肥満に伴うアディポネクチン/AdipoRシグナルの作用低下であることを明らかにしてきた。更に最近、骨格筋において、アディポネクチン/AdipoR1がカルシウムシグナル、AMPK/SIRT1を介し、転写共役因子PGC-1αの発現量と活性化を上昇させ、ミトコンドリア機能を制御し、運動と同じような効果を示すことを明らかにした。そこで本研究課題においては、以下の3つの課題を目的とした。 (1)骨格筋におけるアディポネクチン/AdipoR1の運動模倣シグナルの解明:骨格筋特異的にAdipoR1を過剰発現することによる耐糖能障害・インスリン抵抗性改善作用と同程度の効果をもたらす運動量を明らかにし、その情報をもとに糖・脂質パラメータや筋持久力が同程度にまで改善した「高脂肪食を負荷した骨格筋特異的AdipoR1過剰発現マウス」と「高脂肪食を負荷した運動トレーニングマウス」の骨格筋を用い、網羅的に遺伝子発現を解析した。 (2)肝臓におけるアディポネクチン/AdipoR1の糖新生抑制メカニズムの解明:野生型マウスと肝細胞特異的AdipoR1及びAdipoR2欠損マウスの肝臓の比較のみならず、肝細胞特異的AdipoR1欠損マウスの肝臓と骨格筋特異的AdipoR1欠損及び過剰発現マウスの骨格筋を用い、統合的かつ網羅的に遺伝子発現解析を行い、候補遺伝子を同定した。 (3)新規AdipoR1結合タンパク質(AR1BP)の生理的・病態生理的意義の解明:AR1BPは肝臓におけるアディポネクチン/AdipoR1/AMPK経路に強くリンクしており、siRNAを用いて、アディポネクチン/AdipoR1経路のAR1BP依存的・非依存的シグナル分子の同定を試み、候補分子を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請時、予定していた研究項目((1)骨格筋におけるアディポネクチン/AdipoR1の運動模倣シグナルの解明、(2)肝臓におけるアディポネクチン/AdipoR1の糖新生抑制メカニズムの解明(3)新規AdipoR1結合タンパク質(AR1BP)の生理的・病態生理的意義の解明)のうち、それぞれ平成24年度に予定していた計画内容については、ほぼ達成し、順調に進展している。さらに、平成25年度に予定していた新規鍵分子の同定も解析が進んでいるため、当初の計画以上に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度については、当初予定していた計画内容について、ほぼ達成し、順調に、計画以上に進展している。そのため、本研究の推進において、研究体制及び研究計画に大幅な変更の必要性は低いと思われ、当初の計画通り、研究を推進する予定である。本研究課題のさらなる進展・加速を目指すべく、研究協力者を含めた各人の実験の精度とスピードアップを図り、目的を早期に達成したいと考えている。
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