研究課題
わが国で死因の上位を占める心血管疾患の主要な原因であるメタボリックシンドローム・2型糖尿病激増の主因が肥満に伴うア ディポネクチン/AdipoRシグナルの作用低下であることを明らかにしてきた。更に、骨格筋において、アディポネクチン/AdipoR1 がカルシウムシグナル、AMPK/SIRT1を介し、転写共役因子PGC-1αの発現量と活性化を上昇させ、ミトコンドリア機能を制御し、運動 と同じような効果を示すことを明らかにした。そこで本研究課題においては、以下の3つの課題を目的とし、研究を推進した。 (1)骨格筋におけるアディポネクチン/AdipoR1の運動模倣シグナルの解明:骨格筋特異的にAdipoR1を過剰発現することによる耐糖能障害・インスリン抵抗性改善作用と同程度の効果をもたらす運動量を明らかにし、その情報をもとに糖・脂質パラメータや筋持久力が同程度にまで改善した「高脂肪食を負荷した骨格筋特異的AdipoR1過剰発現マウス」と「高脂肪食を負荷した運動トレーニングマウス」の骨格筋を用い、トランスクリプトーム解析を行い、候補分子の絞り込みを行った。 (2)肝臓におけるアディポネクチン/AdipoR1の糖新生抑制メカニズムの解明:野生型マウスと肝細胞特異的AdipoR1及びAdipoR2欠損マ ウスの肝臓の比較のみならず、肝細胞特異的AdipoR1欠損マウスの肝臓と骨格筋特異的AdipoR1欠損及び過剰発現マウスの骨格筋を用い 、統合的かつ網羅的に遺伝子発現解析を行った。 (3)新規AdipoR1結合タンパク質(AR1BP)の生理的・病態生理的意義の解明:AR1BPは肝臓におけるアディポネクチン/AdipoR1/AMPK経路 に強くリンクしており、siRNAを用いて、アディポネクチン/AdipoR1経路のAR1BP依存的・非依存的シグナル分子の同定を試みた。さらに(1)から(3)の結果の統合的解析を行った。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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