研究課題
本研究では、白血病幹細胞の維持における低酸素制御系の機能を手がかりとして、低酸素環境にある白血病幹細胞のエネルギー代謝特性と微小環境(ニッチ)を明らかにし、これらを制御する標的療法開発を目的とする。この目的のために白血病in vivo誘導モデルと、新規の白血病幹細胞のマーカーを見出してそれを指標とすることで、低酸素環境の白血病幹細胞システムへの寄与の解明と、その活性を指標にした白血病幹細胞の純化法の開発を行った。具体的には微小環境由来のIL-2が、慢性骨髄性白血病幹細胞のうちCD25陽性分画を維持していることを見出した。CD25陽性慢性骨髄性白血病幹細胞は高い白血病誘導能と、マスト細胞への異常な分化能を保持していた。CD25陽性慢性骨髄性白血病幹細胞や異常マスト細胞はTh2サイトカイン等を高発現しており、慢性骨髄性白血病幹細胞を維持するのに好適なニッチを形成していることが見出された。抗IL-2抗体や抗CD25抗体はマウスモデルの慢性骨髄性白血病幹細胞分画を減少させた。さらに、ヒト慢性骨髄性白血病幹細胞分画にCD25を発現している症例も見出されたことから、ヒト病態においても病態を修飾し、標的療法の対象となる分画であることが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件)
Dev Dyn.
巻: 該当なし ページ: 該当なし
doi: 10.1002/dvdy.24259
Biochem Biophys Res Commun.
巻: 454 ページ: 353-357
Blood.
巻: 123 ページ: 2897-2899
doi: 10.1182/blood-2014-01-552471
J Biol Chem.
巻: 289 ページ: 15776-15787
巻: 243 ページ: 844-851
doi: 10.1002/dvdy.24124
Blood.doi: 10.1182/blood-2013-07-517847
巻: 123 ページ: 2540-2549
doi: 10.1182/blood-2013-07-517847