今後の研究の推進方策 |
本研究課題のα線放出核種^<211>Rnの製造には加速器が必要である。そこで日本原子力研究開発機構(原研機構)のタンデム型加速器を利用する。同時に、治療に有用な^<211>Rnの娘核種^<211>Atの製造を引き続き行い、^<211>Atを使用した担がんマウスの治療実験を行う。また、^<211>Rnを利用できない期間は、^<211>Rnの代替トレーサーとして^<222>Rnを利用してジェネレータの条件検討を行う。具体的には以下のとおりとする。 1)加速器を用いた^<211>Rnの製造 製造には日本原子力研究開発機構のタンデム加速器を利用する。実験では、^<209>Bi(^7Li,5n)^<211>Rn反応を利用して^<211>Rnを製造する。また加速器製造では副反応として^<209>Bi(α,6n)^<210>Rnがあり、^<210>Rnは最終的に生体にとって有毒な^<210>Poに壊変する。本研究では副反応で生成する^<210>Rnの量を実験的に見積もり^7Liビームの最適入射エネルギーを決定する。 2)ラドン発生器を用いたラドンの物理化学的挙動の検証 金沢大学所有のラドンガス(^<222>Rn)発生装置から発生する^<222>Rnを用いて、ラドンの物理化学挙動の検証を行う。発生させた^<222>Rnを、実際の分離実験に即した機器に導入し、寒剤や活性炭、有機溶媒中に導き、それらでの捕集効率を温度や圧力を変えた条件で検討する。 3)加速器を用いた^<211>Atの製造 使用にあたっては共同利用申請が必要であるためその手続きを行う。製造には大阪大学核物理研究センターAVF型サイクロトロンを利用する。実験では、^<209>Bi(α,2n)^<211>At反応を利用して^<211>Atを製造する。また加速器製造では副反応として^<209>Bi(α,3n)^<210>Atがあり、^<210>Atは生体にとって有毒な^<210>Poに壊変する。本研究では副反応で生成する^<210>Atの量を実験的に見積もりαビームの最適入射エネルギーを決定する。
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