本年度は、ブタ脱細胞化肝臓骨格を右葉の部分肝とし、圧モニターを用いて血管内皮細胞、肝細胞を均一に充填して移植を行ってきた。また移植後の内部凝固の問題をクリアすべく、東工大との共同研究にて開発した抗凝固粒子の機能評価を脱細胞化門脈壁を用いて、ex vivoで評価した。同時に、ブタにおいては、長期間安定した肝機能障害モデルが存在しないため、門脈-下大静脈シャント手術によって、高アンモニア血症モデルを作成し、術後の血中アンモニア濃度モニタリングを行った。 以上の結果を踏まえ、更なる研究の推進のため、「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」への申請を行い、当科の教授北川雄光の名の下、補助金を受けることができた。今後安定した移植手技と、移植による肝機能補助効果を明らかにし、臨床応用の実現化を目指したい。
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