研究課題
健康長寿の獲得には骨関節疾患の克服は急務であるが、病態解明は十分ではない。環境要因により発症・進行する骨関節疾患の多くでは、ゲノム情報には異常を認めないものの、転写調節機構の破綻が病因と言える。遺伝子発現調節メカニズムの一つに、エピジェネティクス制御(ゲノム修飾によるクロマチン構造変換と転写調節)があるが骨関節疾患においては全く不明である。そこで、骨関節疾患におけるエピジェネティクス制御の分子基盤を明らかにできれば、新たな治療法開発の一助となることが期待できると考え、本研究の着想に至った。骨関節疾患を担う細胞として、軟骨細胞や破骨細胞、骨細胞が挙げられる。関節軟骨細胞の肥大化は、石灰化から骨硬化などの変形性関節症の病態進行に非常に重要な段階と言えるが、その分化に関わるエピジェネティクス制御やその制御因子は全く不明である。そこで、C3H10T1/2細胞を用いたペレット培養法にてrhBMP-2による分化誘導系を応用して、遺伝子発現マイクロアレイにより、遺伝子発現変動する転写制御因子の同定を行い、各因子をqRT-PCRにて検証した結果と各タンパクのドメイン構造から、Aireを同定した。Aireには、hypomethylated lysinを認識するPHDドメインがあることやAire遺伝子変異患者では、骨端軟骨異形成症を来す事が報告されている。Aireの軟骨分化における機能を解析したところ、Aireが軟骨分化を促進すること、その機能はBmp-2転写調節領域のヒストンH3K4me2の制御であることが明らかとなった(Si et al BBRC 2013)。また、骨吸収をになう破骨細胞分化に過程におけるクロマチンの構造変換を捉え、開いたクロマチンの配列情報と遺伝子発現データから分化を制御する転写因子の同定に成功した(Inoue et al. JBMR 2014 in press)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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