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2011 年度 実績報告書

一酸化炭素を介した骨組織細胞間ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23689067
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中村 貴  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80431948)

キーワード骨代謝
研究概要

一酸化炭素はヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)によって産生され、破骨細胞においても炎症刺激によってHO-1の著しい発現増加が観察される事から、破骨細胞が産生したCO分子が、骨組織構成細胞の骨代謝制御因子の遺伝子発現を制御している可能性が考えられた。そこで本研究では、破骨細胞内HO-1と、CO分子を介した機能的関連の証明と骨組織細胞における役割の解明という極めて独創的な仮説の証明を試みている。今年度はCathepsin K-Creマウス系統とfloxed HO-1マウス系統の交配により、破骨細胞特異的HO-1遺伝子破壊マウスの樹立に成功した。予備的な骨組織解析の結果、このマウスでは骨量増加が観察され、これは骨組織でのCOの重要性を示唆すると考えられた。これはCOが骨代謝を制御する事を生体レベルで示唆するものと考えられ、引き続き詳細な解析を行なう予定である。また一方で、COによってアロステリック阻害を受けるアミノ酸代謝酵素・CBSの条件付き遺伝子破壊マウス系統の樹立を試みた。まず始めに、ジーンターゲティング法を用いた遺伝子改変システムの構築を行なった。野生型ES細胞を一定期間培養し、アグリゲーション法によるキメラマウス作出を試みたところ、ES細胞由来のキメラマウスが得られた。そこでCBS遺伝子標的ベクターの構築を行い、ES細胞に遺伝子導入することで、相同組換え体ESクローンの取得に成功した。
現在、キメラマウスの作出を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

23年度において樹立に成功した遺伝子改変マウスの解析で、研究開始当初の予想を超えるドラスティックな表現型が観察された。この結果は、現在までに報告されていない未知の細胞種間相互作用の存在を示唆するものであり、本研究課題における大きな進展であると考える。

今後の研究の推進方策

今後は昨年度までに樹立した破骨細胞特異的HO-1ノックアウトマウスのより詳細な解析を行なうことで、骨組織でのCOの役割について解明を試みる。また、条件付きCBSノックアウトマウスの樹立を進め、骨組織を構成する細胞種での特異的機能の解析を行なう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of Stabilin-2 elevates circulating hyaluronic acid levels and prevents tumor metastasis2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu Hirose, Eiko Saijou, Yasuyoshi Sugano, Fumitaka Takeshita, Satoshi Nishimura, Hidenori Nonaka, Yen-Rong Chen, Keisuke Sekine, Taketomo Kido, Takashi Nakamura, Shigeaki Kato, Toru Kanke, Koji Nakamura, Ryozo Nagai, Takahiro Ochiya, Atsushi Miyajima
    • 雑誌名

      Proceedings of National Academy of Science U S A

      巻: 109(11) ページ: 4263-4268

    • DOI

      10.1073/pnas.1117560109

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.gasbiology.com/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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