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2012 年度 実績報告書

一酸化炭素を介した骨組織細胞間ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23689067
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中村 貴  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80431948)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード骨・軟骨代謝
研究概要

DNAやヒストンのメチル化はエピゲノム制御機構の一つであり、そのメチル基(-CH3)源はメチオニン代謝経路によって供給される。一方、メチオニン代謝酵素CBS(シスタチオニンβシンターゼ)欠損は、ホモシスチン尿症とよばれるアミノ酸代謝異常を引き起こし、高身長・四肢指伸長・漏斗胸などの骨組織異常を呈するが、これらの発症メカニズムは不明である。最近の研究によって生体内で産生されるガス状メディエーターである一酸化炭素分子がCBSの活性を抑制する事が秋課かとなってきた。一酸化炭素はヘムオキシゲナーゼ(HO-1およびHO-2)によって産生され、骨組織ではマクロファージ系の骨吸収細胞である破骨細胞でヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)が高発現している。また間葉系幹細胞から分化する骨細胞ではヘムオキシゲナーゼ2(HO-2)が高発現している事から、これらの細胞が産生したCO分子が、骨組織を構成する各種細胞内のCBSにはたらきかけることで、骨代謝制御因子の遺伝子発現を制御している可能性が考えられた。そこで本研究では、骨組織におけるHOとCBS間のCO分子を介した機能的関連の証明と骨組織細胞における役割の解明という極めて独創的な仮説の成体レベルにおける証明を試みている。今年度はこれらの破骨細胞特異的にHO-1遺伝子を破壊した動物の解析を継続するとともに、骨細胞特異的HO-2遺伝子破壊動物の樹立を行なうため、骨細胞特異的に遺伝子破壊を行なうことが可能な遺伝子改変動物の樹立を新たに行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

初年度は破骨細胞特異的にHO-1遺伝子を破壊した遺伝子改変動物において、異常な骨形成の亢進が起こる事を発見した。今年度は新たに骨細胞特異的に遺伝子破壊が可能なDmp1-T2A-Creノックインマウス系統および条件付きHO-2遺伝子破壊マウス系統の樹立に成功した。このうちDmp1-T2A-Creマウス系統は、2A配列を用いる事で、従来のCreトランスジェニックマウスやCreノックインマウスで問題となっていた発現特異性の低下や内在遺伝子欠損を回避し、Creリコンビナーゼを細胞種特異的に高発現する極めて理想的なCre発現マウスとして樹立する事に成功した。

今後の研究の推進方策

樹立したCmp1-T2A-Creノックインマウスと条件付きHO-2遺伝子破壊マウスを交配することで、骨細胞特異的HO-2遺伝子破壊マウスの樹立を試みる。これまでに作出した破骨細胞特異的HO-1遺伝子破壊マウスとの表現型を比較する事で、骨組織におけるHOの高次機能を明確にする。さらに、これら遺伝子破壊マウスにおいて異常が起こる分子メカニズムの解明を試みる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 慶應義塾大学医学部・医化学教室

    • URL

      http://www.gasbiology.com

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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