• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

上皮・実質・内皮幹細胞のエピジェネティク分化制御による革新的な三次元的角膜の再生

研究課題

研究課題/領域番号 23689072
研究機関東京大学

研究代表者

三村 達哉  東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (70463867)

キーワードエピジェネティクス / 角膜再生 / 幹細胞移植
研究概要

本研究は、角膜の細胞の老化に関わる変化を見ることを目的としている。老化した細胞や培養細胞ではDNAレベルの変化なしに遺伝子発現が変化するエピジェネティクス化が生じることが近年明らかになっているが角膜疾患については、まだ解明されていない。本年度は、角膜組織幹細胞とエピジェネティクス変化の関係に焦点をしぼり、幹細胞におけるDNA、ヒストン、クロマチンのメチル化異常を調べることを目標とした。進捗状況は、まず研究用ヒトドナー角膜の角膜上皮、実質、内皮の各層より細胞を採取し、培養した。また、選択的に未分化な細胞を採取するために、スフェアー法という方法により、角膜上皮、実質、内皮の各層から組織幹細胞/前駆細胞を採取することに成功した。採取した細胞を免疫染色ならびにRT-PCRで遺伝子発現を調べると、通常の細胞と比較して、スフェアーを形成する細胞はBrDUの取り込みが高く、また上皮では上皮未分化マーカーであるp63が発現しており、神経堤由来である実質と内皮のスフェアーほ神経未分化マーカーであるNestinが強く発現していた。これらの細胞は次年度以降に、通常の細胞と前駆細胞の間にメチル化パターンに差があるか調べる実験に用いる予定である。次に、角膜のどの部位に幹細胞が存在するのか、あるいはどの部位に老化した細胞が存在するのかを調べるために、ヒトドナー角膜の、中央部分と周辺部分にわけて、それぞれ角膜上皮、実質、内皮細胞を採取した。また年齢によって遺伝子のメチレーションに差があるか調べるために、マウスの生後1週目の角膜と生後10か月目の高齢マウスから、それぞれ角膜上皮と内皮細胞を採取した。本年度採取し、保存した細胞は現在、メチレーションパターン解析用に細胞を保存している。次年度はこれらの保存した細胞を用いて、各サンプル中の細胞のDNA、ヒストン、クロマチンのメチレイションパターンを調べる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、本年度は細胞を採取することに、ほとんどの時間を費やした。年度末に採取した細胞のキャラクタライズをすることまで、できたため概ね研究は順調に進んでいる。また次年度予定しているメチル化解析も現在進行中である。

今後の研究の推進方策

3年間の研究の予定に変更はない。当初の予定通り、次年度は培養細胞と幹細胞のメチレーションのパターンの差を解析する予定である。また選択的に未分化な状態の細胞を選択的に採取をすることにより、細胞のシートを本年度は作成する予定である。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Recent advances and history of vitreous surgery2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Nakashizuka T, Mori M
    • 雑誌名

      Journal of Healthcare Engineering

      巻: 2(4) ページ: 447–458

  • [雑誌論文] Relationship between total tear and serum IgE in allergic conjunctivitis2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Mori M, Funatsu H, Noma H, Yamamoto H, Aixinjueluo W, Amano S
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol

      巻: 154(4) ページ: 349-52

  • [雑誌論文] Rapid immunochromatographic measurement of specific tear IgE in moderate to severe cases of allergic conjunctivitis with immfast check J1 in the spring2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Mori M, Funatsu H, Noma H, Amano S
    • 雑誌名

      Cornea

      巻: 30(5) ページ: 524-7

  • [雑誌論文] Severity and determinants of pinguecula in a hospital-based population2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Obata H, Yamagami S, Mori M, Funatsu H, Noma H, Dou K, Amano S
    • 雑誌名

      Eye Contact Lens

      巻: 37(1) ページ: 31-35

  • [雑誌論文] Relation between total tear IgE and specific serum IgE in seasonal allergic conjunctivitis2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Mori M, Funatsu H, Noma H, Yamamoto H, Aixinjueluo W, Amano S
    • 雑誌名

      Cornea

      巻: 30(7) ページ: 790-5

  • [雑誌論文] Relationship between conjunctivochalasis and refractive error2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Yamagami S, Funatsu H, Noma H, Toyono T, Mori M, Amano S
    • 雑誌名

      Eye Contact Lens

      巻: 37(2) ページ: 71-8

  • [雑誌論文] Specific tear IgE in patients with moderate-to-severe autumnal allergic conjunctivitis2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Usui T, Mori M, Funatsu H, Noma H, Amano S
    • 雑誌名

      Int Arch Allergy Immunol

      巻: 156(4) ページ: 381-386

  • [雑誌論文] Asymptomatic subconjunctival entrapment of a cilium2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Nakashizuka T, Kami J, Kohmura M, Sato S, Dou K, Mori M
    • 雑誌名

      Int Ophthalmol

      巻: 31(4) ページ: 325-6

  • [雑誌論文] Prospects for Descemet stripping automated endothelial keratoplasty using cultured human corneal endothelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Yamagami S, Yokoo S, Usui T, Amano S
    • 雑誌名

      J Transplant Technol Res

      巻: S2 ページ: 1-8

    • DOI

      10.4172/2161-0991.S2-001

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨髄移植後寛解状態の悪性リンパ腫に認めたHHV-6による網膜分離症、網膜炎の一例2011

    • 著者名/発表者名
      寶一博、中静隆之、西田彩、幸村百理男、上順子、三村達哉、岸本修一、佐藤新兵、森樹郎
    • 学会等名
      第66回日本臨床眼科学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-10-07
  • [学会発表] コンタクトレンズ装用による結膜弛緩症、瞼裂斑、および結膜下出血2011

    • 著者名/発表者名
      三村達哉
    • 学会等名
      第65回日本臨床眼科学会
    • 発表場所
      東京(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-07
  • [図書] Regenerative Medicine and Tissue Engineering ; From Cells to Organs/Book 2 (ISBN 978-953-307-688-1)2011

    • 著者名/発表者名
      Mimura T, Tabata Y, Amano S
    • 総ページ数
      347-362
    • 出版者
      Transplantation of corneal stroma reconstructed with gelatin and multipotent precursor cells from corneal stroma. In : Daniel Eberli, editor

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi