• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

皮膚潰瘍に存在する間葉系細胞からの表皮誘導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23689073
研究機関杏林大学

研究代表者

栗田 昌和  杏林大学, 医学部, 助教 (20424111)

キーワード間葉上皮移行 / 皮膚潰瘍 / マイクロRNA / ケラチノサイト / 皮膚線維芽細胞 / 脂肪幹細胞
研究概要

本研究は、皮膚潰瘍局所に存在する間葉系細胞のケラチノサイトへの分化を誘導し、潰瘍面から直接的に上皮化を起こさせる新しい創傷治療の方法の開発を目的としている。間葉系から上皮系への細胞の性質の移行を間葉上皮移行(MET)とよぶ。近年では、遺伝子導入によるリプログラミングの過程において、明確なMETがおきることが明らかにされているため、Miyoshiらの報告に従い(Cell Stem Cell 2011;8:633-8)ヒト線維芽細胞に対して、成熟micro RNAによるリプログラミング誘導を行い、リプログラミングmicroRNAによるMET変化を定量化した。microRNA導入により、上皮カドヘリン(CDH1)の100倍程度までのmRNA発現上昇を認めたが、初代培養ケラチノサイトのmRNA発現量の100分の1程度にとどまっていた。
microRNAによってMETの惹起が可能であること、リプログラミングmicroRNAでは不十分なことが明らかとなったため、ケラチノサイト特異的micro RNAを明らかにし、これを用いて間葉系細胞からケラチノサイトへのダイレクトリプログラミングを試みる方針とした。同一皮膚サンプルから確立した3組の初代培養ケラチノサイトおよび皮膚線維芽細胞の発現マイクロRNAをアレイを用いて網羅的に調べた結果、上皮細胞特異的micro RNAとして従来指摘のされているmir200a/200b/200c、mir203、mir205などを含めて計14種類のケラチノサイト特異的microRNAが存在することが明らかとなった。今後は、間葉系細胞に対してこれらのmicro RNAを導入した際におきる変化を調べてゆく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画したリプログラミング因子によるMET誘導のみでは目的を達成することができなかったが、続いて行ったmicro RNAアレイにより、明瞭にケラチノサイト特異的micro RNAを同定することができ、継続年度での検討を順調に進めることができるため。

今後の研究の推進方策

同定されたケラチノサイト特異的microRNAを間葉系細胞に導入し、METの誘導を試みる。遺伝子導入には、レンチウイルスベクターおよび合成RNAの直接導入を予定している。これらのプロセスによって、間葉系細胞からケラチノサイトへの直接転換が達成されることを期待している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Extravascular injection of sclerotic agents does not cause detrimental influences even on tiny vessels of rat. An experimental implication for percutaneous sclerotherapy of arteriovenous malformations

    • 著者名/発表者名
      Sato Daisuke, Masakazu Kurita, et al
    • 雑誌名

      Eur J Vase Endovasc Surg

      巻: (In press)

    • DOI

      10.1016/j.ejvs.2012.04.001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Differential expression of wound fibrotic factors between facial and trunk dermal fibroblasts

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Kurita, et al
    • 雑誌名

      Connective Tissue Research

      巻: (In press)

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi