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2013 年度 実績報告書

炎症応答と骨破壊の両プロセスを包括して制御できる炎症性骨破壊治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23689075
研究機関東京大学

研究代表者

岡本 一男  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00436643)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード骨代謝 / 関節リウマチ / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / Th17細胞
研究概要

関節リウマチや歯周病などの慢性炎症に伴う骨破壊疾患は、『免疫異常による炎症』と『異常な骨破壊』という二つの病的現象に依存 している。本研究課題では、炎症性T細胞サブセットであるTh17細胞の分化に焦点を当て、「Th17細胞性炎症応答」と 「破骨細胞性骨破壊」の両プロセスを包括して制御できる治療法の基盤確立を目指す。本課題を遂行するにあたり以下を実施した。
1. IκBζコンディショナルノックアウト(CKO)マウスの作製: 欧州条件変異マウス作成プログラムのIκBζ floxed ES細胞株 を用いて、floxedマウスを作製し、各種CKOマウスの作製を進めた。
2.炎症性骨破壊プロセスに関わるIκBζの機能解析: IκBζ KOマウスならびに骨髄キメラマウスを用いて、コラーゲン誘導性関節炎を実施し、炎症性骨破壊治療におけるIκBζの分子標的としての有効性を生体レベルで検証した。IκBζが機能する組織・細胞種を見出し、免疫系以外の組織細胞におけるIκBζ標的遺伝子の機能解析を行った。
3. 炎症性T細胞と骨破壊を標的にした新規T細胞サブセットの解析: コラーゲン誘導性関節炎を用いた解析から、制御性T細胞のマスター転写因子であるFoxp3を発現するCD4+T細胞が、IL-17を強力に産生できる細胞に転換し、骨破壊局所にて集積することが認められた。この転換後のTh17細胞(exFoxp3Th17細胞と呼ぶ)はRANKLを発現し、ナイーブT細胞から直接分化したTh17細胞よりも破骨細胞誘導能が高いことが示され、関節炎の増悪に関わること実証した (Komatsu, Nature Med., 20: 62-8, 2014)。さらに、トランスクリプトーム解析・エビジェネティクス解析を通じて、exFoxp3Th17細胞の特性を評価し、分化転換に関与する転写制御ネットワークをの解析を進めた。本成果により、exFoxp3Th17細胞が関節リウマチの炎症と骨破壊を同時に制御できるターゲットとして有望であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pathogenic conversion of Foxp3+ T cells into TH17 cells in autoimmune arthritis.2014

    • 著者名/発表者名
      Komatsu N, Okamoto K, Sawa S, Nakashima T, Oh-hora M, Kodama T, Tanaka S, Bluestone JA, Takayanagi H.
    • 雑誌名

      Nature Medicine

      巻: 20 ページ: 62-68

    • DOI

      doi:10.1038/nm.3432

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Critical Role of p38 and GATA3 in Natural Helper Cell Function.2013

    • 著者名/発表者名
      Furusawa, JI., Moro, K., Motomura, Y., Okamoto, K., Zhu, J, Takayanagi, H., Kubo, M., Koyasu, S.
    • 雑誌名

      Journal of Immunology

      巻: 191 ページ: 1818-1826

    • DOI

      doi:10.4049/jimmunol.1300379

    • 査読あり
  • [学会発表] RANKL expressed by T lymphocyte is needed for development of experimental autoimmune encephalomyelitis2013

    • 著者名/発表者名
      Matteo Guerrini、岡本一男、中島友紀、高柳広
    • 学会等名
      第42会日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2013-12-12
  • [学会発表] 骨免疫学的視点からみたTh17細胞の機能2013

    • 著者名/発表者名
      岡本一男
    • 学会等名
      日本小児リウマチ学会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2013-10-12
  • [学会発表] T細胞が発現するRANKLは実験的自己免疫性脳脊髄炎の病態形成に重要である2013

    • 著者名/発表者名
      Matteo Guerrini、岡本一男、中島友紀、高柳広
    • 学会等名
      第34回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2013-07-02
  • [学会発表] 自己免疫疾患の病態形成とTh17 細胞

    • 著者名/発表者名
      岡本一男
    • 学会等名
      平成26年度 東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻分野 博士課程説明会および若手講演会
    • 発表場所
      東京
  • [図書] HORMONE FRONTIER IN GYNECOLOGY 骨の研究最前線 『骨免疫学』2013

    • 著者名/発表者名
      岡本一男、高柳広
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      メディカルレビュー社
  • [図書] THE BONE 『骨代謝調節の新たな展開』2013

    • 著者名/発表者名
      岡本一男、高柳広
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      メディカルレビュー社
  • [備考] 東京大学 大学院医学系研究科 免疫学 ホームページ

    • URL

      http://www.osteoimmunology.com/

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公開日: 2015-05-28  

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