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2011 年度 実績報告書

免疫系細胞による歯根吸収制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23689081
研究機関東北大学

研究代表者

菅崎 弘幸  東北大学, 病院, 助教 (30333826)

キーワード歯根吸収 / 破歯細胞 / Regulatory T cell / 免疫系細胞 / 歯周組織 / サイトカイン / 破骨細胞 / メカニカルストレス
研究概要

本研究課題の目的
本研究課題は、歯科矯正治療上最も大きな副作用の一つである歯根吸収の機序を解明し将来的には歯根吸収リスク判定を矯正治療開始前に診断できるようになることを究極的な研究目的としている。特に本研究では多くの論文で報告されている歯根吸収程度と全身のアレルギーの相関に着目し、免疫系細胞による歯根吸収制御機構の存在を想定したうえで免疫系細胞の中でも特に免疫反応を抑制する機能を有するRegulatory T cell (Treg)に着目し、Tregが破歯細胞活性化を抑制しているという仮説の元、1)Tregの歯周組織における局在、2)Treg transgenic, deficientによる歯根吸収程度の比較、3)Tregによる歯根吸収制御機構の解明を行うことを計画した。
得られた研究成果
1)マウスにおいて歯根吸収を惹起する、ステンレスワイヤーによる矯正力負荷モデルを確立した。
2)Treg deficientマウス(C57B6.Cg-Foxp3sf/J)を米国Jackson Labより輸入し繁殖を行った。
3)Tregのマーカー遺伝子であるFoxp3 mRNA発現を、矯正力負荷した歯周組織サンプルからtotal RNAを抽出し逆転写後リアルタイムPCRにより検出を行い、その検出手法の確立を行った。
4)矯正力負荷後のFoxp3 mRNA発現変化をリアルタイムPCRで観察した。
5)Tregによる破歯細胞活性化抑制の分子生物学的機構を解明すべく、マウス脾細胞からTregを分取しTregの産生するサイトカインプロファイルの観察を行った。
本研究成果の重要性
歯へのメカニカルストレス負荷により、歯周組織へ免疫系細胞、とくにTregが誘導されることを示唆するデータが得られたことから、免疫系細胞によって歯周組織骨代謝ならびに歯質吸収が制御されている可能性が強く示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

交付申請書へ記載した本年度の研究実施計画2つのうち、1つめのマウス歯周組織におけるTreg存在の確認は遺伝子レベルでその存在を明らかにでき、進捗状況は順調である。しかしながら2つめのTreg TG,deficient,wild type mice 間での歯根吸収比較については、震災の影響などにより共同研究者からのTreg transgenic miceの移送が遅れている。そのため各マウス間での歯根吸収程度の比較は行えていない。
そのため、現有していた動物・機器・試薬などで研究を遂行できる、次年度の研究計画(Tregによる破歯細胞活性化抑制の分子生物学的機構の解明)を前倒しで行い、研究実績の概要に記載通り一部成果が得られた。

今後の研究の推進方策

1)早急なTreg transgenic mice移送→共同研究者との連絡を密に行い、可及的速やかに実験動物の移送を行う。
2)歯周組織におけるTreg存在の、タンパク質レベルでの検出→FOXP3,CD25,CD3の多重免疫蛍光染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡による検出を試みる。パラフィン包埋切片上で検出が行われない場合、凍結切片での検出をまず試みる。それでも検出できない場合FOXP3/GFP knockin mice (Dr M.Oukka, Harvard Medical School, Boston, MA)の提供を受け、GFPをマーカーとして検出を行う。

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公開日: 2013-06-26  

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