本研究は、治療を受けるがん患者と家族のQOL向上を目指して、実践可能かつ効果的な外来治療支援モデルを構築し、その有効性について検討することを目的とした。まずはじめに、治療のサポートを担う看護師が、看護においてどのようなところに困難を感じているかを明らかにすることを目的に、H県内のがん診療連携拠点病院に認定された1施設の看護師148名を対象に困難感の調査を行った。その結果、特に困難感が強かったのは、「コミュニケーションに関すること」、「自らの知識、技術に関すること」、「システム、地域連携」に関することの3領域であることが分かった。 コミュニケーションとシステムの困難感について、これらの問題点に対する解決策の示唆を得ることを目的に、University of Michigan Comprehensive Cancer Centerの視察を行った。Breast Clinicon、Infusion ClinicやSymptom Management Teamの見学、Colorectal Surgical Teamの回診、Colorectal Tumor Boardに参加した。看護部長の話では、縦割り組織のためにコミュニケーション不足になることは日本と同様であるが、解決するために、Tumor Boardに多職種が参加すること、各組織をNPが管理し、NP間のミーティングを毎日行うことで解決するよう努力しているとのことであった。
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