一次元オンラインユニットクラスタリング問題の一般の場合、すなわち、点が離れた場所に与えられる可能性がある場合に関しては、当初想定していたよりも、クラスタ配置の構造が複雑になり、精密にアルゴリズムを設計しなければ競合比が改善できないことが判明した。そこで、本年度は一次元オンラインユニットクラスタリング問題の一般の場合に取り組んだ。当初の研究計画で挙げたように、自動化によって、競合比が目標値を超えた部分に対して、アルゴリズムの動作を改良して状態遷移図を作成することを繰り返し、競合比が目標値を超えなくなるような状態遷移図を作成することを試みた。これによって、当初、手動で作成していたアルゴリズムより遥かに複雑なアルゴリズムを構築することができた。これは手動によるアルゴリズム設計では困難な規模であり、自動化のメリットを生かすことができた。しかしながら、問題の構造が複雑でアルゴリズムのルール記述が精密になるため、既存アルゴリズムの競合比の改善はまだ達成できていない。特に、離れた箇所に与えられた点によってできる2つのクラスタのグループが1つにまとまるときは、クラスタを表現する文字列が結合されることに相当し、左右の文字列の全パターンについて結合した文字列が生じるので、場合の数が増大し、記述すべきアルゴリズムの動作も増えていく。今後、同様の改良プロセスを続けていくことで、競合比の改善が見込まれる。その際には論文発表を行う予定である。
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