研究課題
線形計画問題(LP)のピボットグラフの振る舞いを記述したグラフを LP グラフという。1947年に Dantzig により提案された単体法以来の未解決問題として,同問題を解く多項式時間のピボット規則の存在の解明があり,この解明には LP グラフ上でのピボット規則の解析が不可欠である。しかし,一般には LP グラフが特徴づけられていないため,LP グラフの集合を真に含む非巡回唯一シンクグラフ(AUSO)上で解析が行われてきた。今年度は以下について研究を進めた。第1に,近年注目を集めている履歴依存型ピボット規則の具体的な振る舞いを調べるため,LP グラフの大規模な列挙を行うことを目指した。LP グラフを列挙するうえで,実現可能な有向マトロイドを列挙する必要がある。前年度までに構築したマトロイドの大規模な列挙法を土台として,実現可能な有向マトロイドを列挙した。また,有向マトロイドの粗構造としてマトロイドの構造解析を行い,マトロイドの大規模列挙結果から向き付可能性について研究を進めた。第2に,LP グラフ上での履歴依存型ピボット規則の理論解析において必要となるグラフにおける線形性を解明した。LP グラフの一般的な特徴付けは得られていないが,LP グラフが満たす性質として,非巡回性,唯一シンク性,Holt-Klee 性およびシェリング性[Avis, Moriyama (2009)] が知られている。このシェリング性で LP グラフが特徴づけられる多面体クラスを発見し,その理論的解析を進めた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)
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