研究課題
平面グラフGの描画で,Gの各点が整数座標を持ち,Gの各辺が互いに交差しない直線分として描かれ,各面が全て凸多角形で描かれる描画をGの格子凸描画という.平面グラフGが格子凸描画できるための条件は,Gが内部3連結であることである.格子凸描画で外面がk角形であるものを外k角格子凸描画という.Gの点の数をnとしよう.内部3連結平面グラフGの3連結成分分解木T(G)の葉がちょうど4枚以下の場合には,Gをnの多項式の面積の整数格子内に格子凸描画できることは知られていた.しかし,T(G)に葉が5枚以上ある場合には,nの多項式の面積の整数格子内に格子凸描画できるかどうかは知られていなかった.本研究において,内部3連結平面グラフGのT(G)の葉がちょうど5枚であるならば,Gを6n×n^2の大きさの整数格子内に外5角格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果を情報科学技術フォーラムにおいて発表するとともに,電子情報通信学会英文誌に投稿し,採録された.さらに,本研究において,T(G)の葉がちょうど6枚であるならば,Gを6n×n^2の大きさの整数格子内に外6角格子凸描画できることを証明するとともに,そのような描画を求める線形時間アルゴリズムを与えた.以上の結果について,情報科学技術フォーラムにおいて発表するとともに,学術雑誌への投稿を目指し論文にまとめた.また,格子凸描画以外の研究も行った.平面グラフの各面の面積ができるだけ均等な描画を求めるアルゴリズムを開発するとともに,様々なグラフに対するシミュレーションを行い,アルゴリズムの評価を行った.以上の結果をまとめ,情報処理学会東北支部連合大会および情報処理学会東北支部研究会において発表を行った.
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IEICE Trans. on Information and Systems
巻: Vol.E97-D, No.3 ページ: 413-420