研究課題
多項式時間以下の小さい計算量について、更に理論的な整備を進めた。ダルムシュタット工科大ツィーグラー氏の研究室と共同で、先年度に続き函数の滑らかさと計算量の階層について明らかにする結果や、本年度新たにポアソン方程式の計算量の下界などを得た。また計算時間制限下での函数空間の構成に関しては、初年度の発表をきっかけにケンブリッジ大のパオリ氏と検討を進めてきたが、一般的な条件と計算限界を明らかにする結果を得た。周辺分野への応用としては、実函数の多項式時間計算可能性と算法ランダム性をルベーグの定理を通して結びつける結果を得た(この周辺については平成26年度の次期研究計画にて更に深く追究する予定である)。また、滑らかな入力に対する微分方程式の計算量についての23年度の結果を、精密化して論文誌で出版した。このほか計算幾何分野で幾つかの結果を得た。最終年度であった本年度は、国際会議CCA及びCiEの帰納解析特集企画や、帰納解析分野と陰計算量理論との初の共同集会となる湘南セミナーを開催したほか、京大での集中講義で関連分野の基礎から研究課題を大学院生に伝えるなど、本課題の研究分野の更なる発展に向けて課題共有・研究交流を推進することができた。これは26年度からの新たな研究計画にも生かされている。
2: おおむね順調に進展している
所期の目標通り、(1)理論的基盤の整備と(2)諸分野への応用の両方について、研究期間を通じてそれぞれ幾つかの成果を得て論文誌や国際会議で発表した。またこれをきっかけに、次の研究に向けた周辺分野や国内外の研究者との共同も進んだ。
本研究は最終年度であり、計画された研究は概ね完了したが、会議日程の関係や、投稿中の論文などで、未採録の成果が若干ある。主にその発表のため補助事業期間を延長したので、26年度のうちに残った発表をする予定である。
本研究は最終年度であり、計画された研究は概ね完了したが、会議日程の関係や、投稿中の論文など、未採録の成果が若干ある。主にその発表のため補助事業期間を延長した。残った成果発表を平成26年度のうちにする。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)
Logical Methods in Computer Science
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Proc. Twenty-Fourth International Symposium on Algorithms and Computation (ISAAC)
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