本研究は、解析学における計算量を理解するという目標に、(1)理論的枠組の確立、(2)諸問題への応用、の両面で貢献を目指すものであった。理論面(1)では、実数など近似によって捉えられる対象の計算における資源制約を議論するため、二階多項式を用いた枠組を使うことにより、従来よりも多くの対象について計算量を論ずることができるようになった。応用面(2)では、予てから解析函数において各種の演算子の計算量が知られていたが、本研究ではこの解析函数という範囲を超えた所で如何なる計算量になるかについて、幾つかの結果を得た。
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