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2011 年度 実施状況報告書

誤り訂正符号に潜むランダムネスと構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23700010
研究機関(財)九州先端科学技術研究所

研究代表者

安永 憲司  (財)九州先端科学技術研究所, その他部局等, 研究員 (50510004)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード誤り訂正符号
研究概要

性能のよい符号とは、多くの誤りを訂正でき(ランダムネスをもち)、かつ効率的な復号法を有する(構造をもつ)符号である。本研究では、相反する性質(ランダムネスと構造)をもつ性能のよい誤り訂正符号の開発を目的とする。アプローチとして、あまり構造を必要としない汎用的な復号法に対し、それを適用可能なランダムネスの高い符号を開発する方向と、ランダムネスの高い符号に対して適用可能な復号法を開発する方向を考える。汎用的な復号法に対し、それを適用可能な符号を開発するにあたり、polar 符号に関する調査を行った。特に、Reed-Muller 符号のリスト復号法を polar 符号に適用できないかという検討を行ったが、現在のところ、うまく適用する方法は見つかっていない。次に、ランダムネスの高い符号に対して適用可能な復号法を開発するに当たり、ランダム符号のもつ性能の限界を明らかにすることが重要であると考え、ランダム符号の性能に関する調査を行った。多くの通信路モデルにおいて、ランダム符号は優れた性能を示している。特に、代表的な通信路モデルである二元対象通信路では、ランダム符号で最適な性能が引き出されることが示されている。一方で、最悪通信路モデルを考えると、ランダム符号が知られている符号化法では最も良い性能を示すが、それが最適かどうかは未解決である。そこで、二元対称通信路と最悪通信路との中間的な通信路モデルにおいてランダム符号がどのような性能を示すかを調査した。その結果、変転通信路ではある条件下において最適性が示されており、オンライン通信路と呼ばれる最近提案された通信路では最適性が示されているわけではないが、最悪通信路よりもそのギャップ縮められていることなどがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画していた手法での進展が大きくなかったため。

今後の研究の推進方策

平成23年度に調査を行った、ランダム符号の性能の評価について調査・研究を進めることにする。特に、二元対称通信路と最悪通信路の中間に位置する通信路モデルに対する性能評価を行なっていく。具体的には、オンライン通信路における更なる研究調査、および新たな通信路モデルの提案などを行なっていく。同時に、polar 符号に対する研究調査も継続していく。polar 符号は successive cancellation 復号法をベースにして高性能であることが示されているが、ランダム符号のもつランダムネスを一見持ち合わせてないように思える。それは本当に可能なのか、または、ランダムネスを加えることでさらなる性能向上が見込めるのか、これらの点について調査・研究を行う。

次年度の研究費の使用計画

polar 符号およびランダム符号の性能に関する意見交換をするための出張旅費として使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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