研究課題/領域番号 |
23700011
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
ジャンソン ジェスパー 京都大学, 白眉センター, 准教授 (60536100)
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キーワード | algorithm / computational complexity / phylogenetic tree / rooted triplet distance |
研究概要 |
このプロジェクトには木のアルゴリズムに関連する3つの課題が含まれる。ひとつめは与えられた2つ木構造的類似度を測定するための高速手法に関するものである。両方の木がいわゆる"galled tree"でそれぞれn個の葉を持つ時、根つき三組み距離はナイーブなアルゴリズムでO(n**3)時間で計算できる。我々は根つき三組み距離の計算問題を、無向枝染色グラフの単色可能もしくは、ほぼ単色可能な三角形を数え上げる問題に変換することにより、o(n**2.688)時間へ改善した。グラフにおける様々なタイプの色つき三角形を効率的に数え上げるために、行列の積に基づく既存のアルゴリズムを拡張し、三角形の数え上げのアルゴリズムに関する、いくつかの興味深い新しい結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ひとつの目的は、様々なタイプの合意木を構築する既存の最善アルゴリズムを改良することである。我々は3つの主要なタイプの合意木に関する新しいアルゴリズムを構築し、それぞれ既存の最速のものよりも速かった。それぞれがn個の葉をもち、葉のラベルがすべて異なるk個の系統樹が与えられた時に、多数決合意木ではO(nk log k)時間、緩和合意木ではO(nk)時間、貪欲合意木ではO(n**2 k)時間で我々のアルゴリズムは動作する。我々はアルゴリズムの実装も行い、様々なシミュレーションデータに適用した。我々の決定性アルゴリズムは、乱択アルゴリズムに基づくPHYLIPのような既存のパッケージと同等の計算能力を持つことを、これらの実験結果は示唆している。
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今後の研究の推進方策 |
さらに新しいタイプの合意木に関する新しいアルゴリズムを構築するために研究を続ける。 例えば“頻発差合意木”などである。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度中に、国立情報学研究所の定兼邦彦准教授の研究室を訪問し、アルゴリズムについて研究、情報収集を行う。
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