研究課題
1. 昨年度に引き続き、非減少2値関数を入力とするハフマン木問題に対するアルゴリズム開発を行った。非減少2値関数とは、引数の値がある閾値までであるなら低い定数値をとり、それ以外は高い定数値をとるという1変数関数である。設計したアルゴリズムの流れは次のとおりである。まず、与えられたハフマン木問題の問題例の閾値の列がクラフトの不等式を満たすか確認する。次に問題例をコインコレクター問題の問題例へと変換する。最後にコインコレクター問題についての既存アルゴリズムを用いて、効率的に最適解を得る。このアルゴリズムの構想は昨年度からあったが、プログラミング言語による実装のための改良を加えた上で、国際会議AAAC2015にて発表を行った。さらに、電子情報通信学会英文論文誌Aでの論文発表を行った。2. 通信会社が提供する従量制通信料契約と定額制通信料契約の選択をオンライン最適化問題として定式化し研究を行った。従量制通信料契約とは、文字通り、通信の量に比例した課金である。他方、定額制通信料契約とは、まず通信の量に関係なく最低料金が課せられ、そして通信の量が一定に達するまではそれに比例して課金が増え、その後はもはや追加課金がなくなるというものである。申請者は、この選択の問題を、有名なスキーレンタル問題を含んだ定式化を行い、競合比を用いた解析を行った。具体的には、競合比を計算するための簡便法を構築し、それに基づき、典型的な問題例のクラスについて最適な契約切り替え戦略を導出した。本結果について、電子情報通信学会英文論文誌Aでの論文発表を行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Vol. E99-D, No. 3 ページ: 559--566
10.1587/transinf.2015FCP0005
巻: Vol. E99-D, No. 3 ページ: 567--574
10.1587/transinf.2015FCP0006
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: Vol. E98-A, No. 6 ページ: 1189--1196
10.1587/transfun.E98.A.1189