研究課題/領域番号 |
23700020
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
森住 大樹 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (50463782)
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キーワード | 計算量理論 / 回路計算量 / 幅限定回路 / 論理回路 |
研究概要 |
計算機の進歩とともに計算機を活用して問題を解くことが広く行われるようになり多くのアルゴリズムが開発されているが,その一方,問題の本質的な難しさについては,P対NP問題をはじめとして解明されていない事が多く残されている.回路計算量理論は問題の本質的な難しさを証明するのに有力と考えられている手法の一つであり,30年以上に渡り広く研究が行われている.本研究では,幅が制限された論理回路に着目し,その回路計算量の解明を進め,難問とされている問題の難しさに関する未解決問題の解決へとつながる成果を得ることを目的としている.幅を制限した論理回路に関する成果を積み上げ,将来の未解決問題の解決へとつなげることを目指している. 本年度は論理回路の出力パターンを数え上げる問題について研究を行い,以下の成果を得た.ここでの出力パターンとは,回路としての出力のみではなく回路に含まれる全ての素子それぞれがとる出力の状態を意味し,その起こり得るパターンの総数を求める問題を扱った.回路が2入力のXOR素子,またはその否定の素子のみから構成される場合には,その回路の出力パターンを多項式時間で数え上げ可能であることを示した.一方,回路が2入力のAND素子,OR素子,NAND素子,NOR素子などから構成される場合には,そのうちの1種類のみから構成される単純な回路であったとしても,出力パターンを数え上げることは計算困難(#P困難)であることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の初年度に研究の目的に関連する文献の調査に当初の想定以上に時間を必要としたため,全体的に研究目的の達成はやや遅れているが,今後は順調に進展する見通しである.
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今後の研究の推進方策 |
やや遅れていることを除けば研究計画の遂行に支障は生じておらず,計画に沿って研究を推進する.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究目的の達成がやや遅れていることなどから,当初の予定より成果発表のための旅費等を必要としなかったために,次年度に使用する研究費が生じた.最終年度となる次年度は成果発表を多く予定しており,次年度に使用する研究費は次年度に請求する研究費と合わせて,成果発表のための旅費,国際会議登録料,英文校正費,その他必要な物品の購入等に使用する計画である.
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