研究課題/領域番号 |
23700035
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本田 晋也 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20402406)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | RTOS / 仮想化 |
研究概要 |
前期では、ハイブリッドOS技術のOSスケジューリング技術及び、マルチプロセッサ対応とOS間通信の機構研究を行った。そして、後期では、それぞれの実装と評価を行った。マルチプロセッサ対応に関しては、4コアのプロセッサで情報系OSと制御系OSを実行することができた。これまで、シングルプロセッサで情報系OSと制御系OSを動作させている例はあるが、マルチプロセッサで動作させている例はない。また,今後マルチプロセッサシステムの採用は広がっていくと考えられるため意義がある。本研究成果を学内の研究会で2回発表した。OSスケジューリングに関しては、情報系のOSのプロセスの優先度と制御系OSのタスクの優先度をミックスできる機構を実現した。本機構により、情報系の処理であっても、中程度以上のリアルタイム性を確保することが可能である。本研究成果を学内の研究会で1回発表し,論文誌に1件採択された。OS間通信に関しては、情報系OSと制御系OSの間で安全な通信を実現した。研究成果は、国際会議と論文誌への投稿中である。開発した技術は,オープンソースとソフトウェアとして公開した。 http://www.toppers.jp/safeg.html
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイブリッドOS技術のマルチプロセッサ対応に関しては、情報系OSと制御系OSをマルチプロセッサ上で実行できたため,目的を達成していると言える。OSスケジューリング手法に関しても、情報系OSと制御系OSをミックスする機構を実現し、マルチプロセッサ向けに関しても問題点の洗い出しが終了しているため、目的を達成していると言える。OS間通信 に関しては、情報系OSと制御系OSの間で安全な通信を実現したため、一次実装としての目的を達成していると言える。それぞれの項目において、学会や論文発表を行っているため、23年度の目標は達成していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、平成23年度後期の評価をフィードバックして、ハイブリッドOS技術のマルチプロセッサ対応、OS間通信の二次実装を行う。ハイブリッドOS技術のマルチプロセッサ対応に関しては、情報系OSのスケジューリングに関して発生するLHP(Lock holder preemption)を解決する機構を検討し適応して評価する。OS間通信に関しては、23年度は基本的な通信機構を実現したため、24年度は、アプリケーションの利便性を向上させる仕様を検討して、23年度の機構の上に実現する。また、安全な通信を実現するための機構についても検討して評価する。また、事例を用いた評価を実施する。評価においては、制御系のリアルタイム性の確保と情報系のスループットの実現に重点を置いて評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
主たる経費に関しては、博士後期課程または博士前期課程の学生用に事例を用いた評価を依頼するため、評価ボードとデバッガ及びソフトウェア開発環境を1セット追加する。後は平成23年度と同様である。
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