研究課題/領域番号 |
23700038
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高木 智彦 香川大学, 工学部, 助教 (70509124)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ソフトウェアテスト |
研究概要 |
本研究は、拡張された運用プロファイルを用いて、できるだけ多くのソフトウェアの故障を重要なものから優先して発見するためのテストケース生成手法を開発し、評価するというものである。運用プロファイルを用いたソフトウェアテスト法は、ソフトウェア信頼性を評価したり、ソフトウェア信頼性に深刻な影響を与える可能性のある故障を重点的に発見する手法であり、本研究はこの運用プロファイルを使用したテスト法を改良することでソフトウェア信頼性の改善に寄与することを目的としている。本年度においては、(1)拡張運用プロファイルの作成手法の構築、(2)テストケース生成アルゴリズムの構築、(3)ツールの開発、(4)適用実験、(5)評価を行い、その結果を学術シンポジウムおよび学術雑誌で発表した。より具体的に言えば、まず(1)で従来の運用プロファイルに対してテスト実行に必要な労力に関する情報を付加した拡張運用プロファイルを定義し、その作成方法を示した。次に(2)において、拡張運用プロファイルからテストケースを生成する新たなアルゴリズムを遺伝的アルゴリズムを応用して構築した。そして(3)でそのテストケース生成アルゴリズムを実装したツールを開発し、(4)で商用ソフトウェアを例題とした適用実験を行った。(5)でその適用実験の結果を評価した結果、従来の運用プロファイルを用いたテスト法と比較して有効であることが分かった。なお、当初は(6)として遺伝的アルゴリズムのパラメータの調整を予定していたが、これを(4)の一部として実施した。また、次年度に向けて、拡張運用プロファイルの更なる拡張について検討することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画の通り研究活動を実施し、拡張運用プロファイルやテストケース生成アルゴリズムの定義、ツールの開発、実際のソフトウェア開発における有効性の確認を行うことができた。そしてその成果を学術シンポジウムおよび学術雑誌で発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初研究実施計画に従って研究を推進する。すなわち、(1)拡張運用プロファイルの更なる拡張、(2)テストケース生成アルゴリズムの拡張、(3)ツールの拡張、(4)適用実験、(5)評価を行い、その結果を学術シンポジウムや学術雑誌で発表する予定である。(1)については、従来の運用プロファイルは有限状態機械に基づいて作成していたが、これを拡張有限状態機械に基づいて作成するようにすることを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用予定の研究費(収支状況報告書の次年度使用額)が生じたので、研究協力者との打ち合わせや研究成果発表のための旅費、学術シンポジウム参加費、論文出版費用に充てる予定である。なお、当該研究費が生じた理由としては、当初は研究成果の発表を国際会議で行うことを想定していたが、予定よりも研究に進展があり学術雑誌で発表することにしたこと、またツールの開発が順調に進み開発補助者を雇用する必要がなくなったことなどがある。次年度請求の研究費については、当初計画に基づいて使用する予定である。
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