研究課題/領域番号 |
23700043
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
佐々木 晃 法政大学, 情報科学部, 准教授 (90396870)
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キーワード | ソフトウェア学 / プログラム処理系 / ドメイン特化型言語 / コンパイラ生成系 / 属性文法 |
研究概要 |
本課題の目標は、新規のドメイン特化型言語(DSL)およびその処理系の実装を効果的に得るために、逐次的、段階的に既存言語を拡張するアプローチ(逐次的拡張)について研究し、その応用となるDSLシステムを開発することである。 平成24年度の成果は、(1)DSLシステム作成フレームワークの整備(23年度から継続)(2) 逐次的拡張手法に基づくドメイン特化型言語およびシステムの研究である。(1)DSLシステム作成フレームワークの整備に関して、ビジュアル言語による言語処理系設計システムのプロトタイプ実装を行った。本システムは、ブロック型のビジュアルインタフェースによるDSLの言語要素をGUIによって定義できるものであり、逐次拡張の際に必要となるフロントエンド拡張のための基盤として利用する。(2)逐次的拡張手法に基づくドメイン特化型言語およびシステムの研究に関しては、「役割指向プログラミング」という新しい手法を逐次拡張に応用する研究を行い、「社会シミュレーション言語SOARS」のサブセットとなるDSL言語の役割指向による実装を複数のホスト言語に実装した。昨年度開発したschemeによる実装に加え、Javascriptによる言語実装のプロトタイプを作成した。また、本DSLに対して、ネットワークゲーミング機能を実現する言語拡張、また並行システム記述のための言語拡張を施す実験を行った。これらの結果の一部は会議等にて成果として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画は、(1)逐次的拡張手法に関する研究、フレームワークで必要となる生成系等の完成、(2)逐次的拡張によるドメイン特化型言語およびシステムの開発、であった。(1)については、予定通りビジュアルインタフェースを利用した言語拡張システムの実装を行った。(2)については、構想段階では予定していなかった「役割指向プログラミング」による応用研究について、平成23年度より継続で進めたが、この手法により言語の逐次的な拡張が可能であることを示すことができた。 以上の点を総合的に勘案して、達成度を上記の通り評価した。
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今後の研究の推進方策 |
順調な研究のペースを維持し、予定通りに研究計画を遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度は、国外での成果発表の予定変更、研究計画の一部変更等による謝金(ソフトウェア開発補助)の未消化等を主な事由として、当初計画から454,562の余剰が発生した。平成25年度は、当初予定していた経費に加え、消耗品費34,562円、国内旅費(成果発表および打ち合わせ)70,000円、国外旅費(成果発表) 250,000円、謝金(ソフトウェア開発補助)100,000円を追加して予算に計上する。
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