研究課題/領域番号 |
23700073
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
木谷 友哉 静岡大学, 若手グローバル研究リーダー育成拠点, 特任助教 (40418786)
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キーワード | 高度交通システム(ITS) / 通信プロトコル / 車車間通信 / アドホックネットワーク / VANEY / 二輪車 / DTN |
研究概要 |
平成24年度では,申請書に掲げていた課題のうち「基礎的なVANETアプリケーションの提案」「実機を用いたVANETのモデルとプロトコルの評価」について,実機として二輪車を想定するように拡張した.二輪車の車載機としてスマートフォンを想定し,スマートフォン内蔵の運動アプリにより車両運動や周囲環境のセンシングが可能であることを示すことができた.またこの成果により,VANET内で生成し,VANET内で交通安全支援などの用途で消費できる,VANETで流通させる価値のあるデータやITSアプリケーションの創出が行えている.これらの成果は,今までに2件の国際会議での口頭発表と2件の国内研究会での口頭発表,1件の国際会議での招待講演として発表した.また口頭発表4件のうち3件は内容について表彰を受け高く評価された. 次に,ITSによるアプリケーションの多くは位置依存サービス(LBS)であり,自位置の測位精度がサービスの品質に大きく影響する.そこで,近隣の受信端末間で情報を交換することによってGPSによる測位精度を向上させる方法を提案した.この研究成果は2件の国内研究会での成果発表を行い,ITS系のトップカンファレンスである国際会議ITSCに投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に挙げていた課題について,(1)ノードの移動特性を利用したルーティングプロトコルの設計,(2)ノードの移動特性を利用したルーティングプロトコルの拡張,(3)基礎的なVANETアプリケーションの提案,(4)実機を用いたVANETのモデルとプロトコルの評価,について,(1)(2)については二輪車を想定したものについて,平成25年度も引き続き取り組みを続ける.(3)(4)については,二輪車にスマートフォンを実際に車載した実車実験を既に何度も行っており,また車両運動と環境センシングの基盤としてVSN(Vehicular sensing network)の実現向けて,順調に研究が推移している.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究について,まず申請書に示した課題のうち残った以下の点について引き続き研究を進める:(1)VANETのノードの移動特性を考慮したメッセージルーティングプロトコルのプリミティブの開発,(2)ノードの移動特性を利用したルーティングプロトコルの拡張,(3)実機を用いたVANETのモデルとプロトコルの評価. また,昨年度より研究を展開している以下の点についても引き続き研究を進める:(4)VANETのノードとして二輪車が含まれることを考慮し,二輪車の車体挙動や移動特性をセンシングし,VANETで利用できる二輪車の動作モデルの構築,(5)GPSにより測位している複数車両で協調して測位精度を向上させる技術.
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次年度の研究費の使用計画 |
申請段階においては,車載する実機の無線センサノードとして,専用ノード Crossbow WSN-Master2110J を想定していたが,実世界ではスマートフォンの普及が著しく,Andoroid OSを搭載したスマートフォンを端末と想定した方が,実現可能生が高まるため,差額をその購入費に充てる.
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