研究課題/領域番号 |
23700083
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤田 直生 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (60590247)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | センサネットワーク / ユビキタスコンピューティング |
研究概要 |
ユビキタスコンピューティング環境における大量のセンサ情報を収集する場合に、無線通信システムの通信帯域及びセンシングタイミングの同期の問題がある。本研究は、放送型配信制御システムにより通信帯域の削減と、同期制御方式による無線センサノードの制御手法を目的としている。本年度は、放送型配信制御システムに対応したハードウェアの開発及びそのファームウェアの実装を行い評価実験環境を構築した。放送型配信制御システムに対応したハードウェアのプロトタイプは、大量の無線センサノードを評価実験において使用するため、評価実験に必要となる機能を有する安価な独自の無線センサノードのプロトタイプを開発した。また、様々なプロトコルをMAC層以下においても実験できるよう、システムを構築すると共に、無線及び有線でのネットワーク環境を構築した。放送型通信制御システムによる効率的なデータ収集プロトコルの開発として、各無線センサノードを一斉制御する基本的なソフトウェアの実装を行い、センシング及びハードウェア制御の更新システムを構築した。また、センサネットワーク間連携のトポロジについて検討し、多段ネットワークにおいて一斉制御を行うためのトポロジ構造について研究を行った。これにより放送型制御におけるネットワーク構築の最適化について研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究において、当初予定していた無線センサノードの開発及びソフトウェアの実装を行った。また予定していた通信及びセンシングの実験を行い、放送型配信によるセンサネットワークを構築し、データ収集において効果があることを確認した。しかし、センサノードの開発に時間がかかると共に実験による効果測定が遅くなったことから、実験の評価などが十分に行えていない課題がある。また、本研究の成果発表が十分に行えておらず、評価をまとめた後に早急に発表を行っていく。今後評価を行った後に、規模を大きくすると共に、リアルタイム収集技術などを実装し評価を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
評価実験の結果検証を早急に進めると共に、次年度予定しているリアルタイムでのデータ収集における基盤技術の構築を行っていく。また、データの収集のみでは無く、ネットワークトポロジを含め実環境で実験をする上で表示・変更を常時管理できるシステムの構築を行っていく。また、研究開発によって得られた成果を他でも活用いただけるように汎用的なシステムと連携できるよう開発を行い、無線センサネットワークでの実験環境を及び通信方式を提供できるようにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度開発したセンサノードを増やすと共に、実証実験を行う環境を構築する。センサノードを増やすために研究予算を使用し、大規模なセンサノードにおける実証実験を行うと共に、特定の環境に配置した上で評価実験を行っていく。また、センサデータ及び通信状況を表示するビジュアライゼーション環境を構築すると共に、ネットワークトポロジの状況を表示及び変更できる環境を整え評価実験をおこなう仕組みを構築していく。また、研究成果を活用しやすいように、汎用のツールとも連携が取れるように研究開発を進めていきたいと考えている。特に、ハードウェア及びソフトウェアを外部へ提供することが出来るように基盤を構築していきたい。
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