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2012 年度 実施状況報告書

大規模無線センサネットワークにおける放送型通信制御方式

研究課題

研究課題/領域番号 23700083
研究機関神戸大学

研究代表者

藤田 直生  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (60590247)

キーワード無線センサネットワーク
研究概要

ユビキタス社会において、環境や人、装置から多くのデータを収集し、快適な生活や安心安全を提供する社会構築するたに大量のセンサ情報が活用されると考えられている。無線センサネットワーク技術において、大規模なセンサ情報を収集する技術が必要とされ、消費電力が少なく、センサノード全体を効率よく制御することが重要となる。本研究では、大規模なセンサネットワークを構築し、大量のセンサノードから効率よく情報を収集する手段として、放送型の無線センサネットワークを構築し、推測データに基づき必要最小限のデータのみを収集する方式について研究を行っている。
無線センサネットワークにおいて、200台を超える実センサノードによるネットワークの構築とシミュレーション連携による大規模ネットワークでの実験を行い、放送型センサネットワークの構築を行った。従来の推測値を用いた放送型センサネットワークを発展させ、推測データと合わせて各センサノードにおける信号処理を行う環境の構築と、信号処理に必要となるフィルタのパラメタを配信することで、センサノード内での信号処理を最適化するシステムを構築した。環境情報を収集する上で、大量の実センサノードを実装することのみではなく、コンピュータ上での仮想ノードと連携し、大規模なセンサネットワーク実験を行う環境を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ユビキタスネットワークを構築する上での、無線センサネットワークから情報を収集する放送型大規模無線センサネットワークの構築を行い、推測値とフィルタパラメタを配信することで、効率よくセンサ情報を収集するシステムを構築した。また、コンピュータ上の仮想ネットワークと連携した環境も構築し、実環境以上の大規模ネットワークでの実験環境を構築した。ユビキタスネットワークでの、アクチュエータなど情報の収集ではなく、制御情報を伝送するシステムにおいては、センサ情報収集におけるフィルタのパラメタ配信で培った技術を用いることができるよう、汎用的に構築しており、次年度以降においての実装は本年度で培った技術を活かすことができる。
実験の規模を実環境のみでなくコンピュータ上の仮想環境と連携する実験を行っているが、最終的には実環境におけるセンサ情報を構築することが必要な点、ユビキタスネットワークでの本研究のアプリケーションを設定し評価実験をする点が遅れており、今後実環境での有用なアプリケーションを検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

今後の研究は、センサネットワークの構築で実験規模を拡大していくと同時に、汎用的なセンサネットワーク技術のみならず、ユビキタスセンサネットワークでのアプリケーションを設定し、効果を確認する評価実験を推し進めていく。また、センサ情報を収集するのみではなく、無線ノードに対して、制御情報を提供し、アクチュエータなどの制御とその結果のフィードバックをリアルタイムに行うシステムの開発を進めていく。放送型センサネットワークを用いることで、ノードをグループ単位で制御や情報収集を大規模に行えるシステムを構築する。通信システムとセンサ情報を集める環境をそれぞれモデル化し、シミュレーションと共に、センサネットワークでの挙動を網羅的に把握出来るシステムの構築をおこなっていく。これにより、大規模なセンサネットワークで問題となる、個別無線ノードの状況把握や経路情報の把握が容易となるシステムを構築し、本研究で重要となるセンサの推測値シミュレーションが効率よく行えるよう環境整備を行う。

次年度の研究費の使用計画

次年度の予算は主に、研究に必要なセンサノードの数を増やすと共に、シミュレーション環境を構築するためのコンピュータの購入を行う。また、これまでは無線センサノードで使用する周波帯を2.4GHz帯のISM帯域のみを使用してきており、他の機器と競合することが多く通信エラーの元となっていたため、近年新しく認められた920MHz帯の無線環境を構築し、通信障害が少ない環境での実験を行う。研究方針としては、2.4GHz帯での他の無線機器が混在する環境での実験と同時に、より電波が安定して使用出来る920MHz帯と合わせて実験を行い、実環境実験における知見を得たいと考えている。

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公開日: 2014-07-24  

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