研究課題/領域番号 |
23700090
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
福地 健太郎 明治大学, 理工学部, 准教授 (30377022)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 3Dディスプレイ / タッチ検出 |
研究概要 |
2011年度は光ファイバを利用した操作デバイスの試作を行い、またその光学的特性を評価した。形状加工については、3D切削加工機や3Dプリンタでジグを作るなど、各種加工技法を試験した結果、切削加工機で自由に形状加工する手法を確立した。CGで制作した3D モデルをベースに形状加工を施し、あわせてそこにCG画像を投影する手法を確立することができた。また、その光学的特性を試験した結果、画像の視認性に課題を発見した。これについては表面加工により調整ができる見通しで、2012年度に引き続き改良をはかる。また、提案デバイスの位置認識・ID認識技術を開発した。計画当初は透明マーカの利用を考えていたが、研究の結果、光ファイバ自体に加工を施すことでIDを埋め込むことができる手法を発見した。また、ID数を大幅に増やす手法についても試験を進め、技術的な見通しをつけることができた。デバイスに余分な領域を必要としなくなったため、今後はこの新手法を採用し研究を進めていく。また、提案デバイス上でのタッチ入力についても開発を進め、赤外光を利用してデバイス表面上の指先位置を計測することに成功、タッチ入力を可能とすることができた。当初想定していた表面加工による方法ではなく、直接指先からの反射光を計測する手法にしたため、デバイスへの加工工数を減らすことができる。以上の成果について、国内での研究会発表および国際会議でのデモ発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2012年度に予定していたタッチ入力手法の確立などを前倒しで進めることができた。一方で、2011年度に予定していた視認性の向上という課題については、まだ具体的な手法を確立するところまでは至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
視認性の向上については光ファイバの特性上、デバイス表面の加工が必要なことが判明しているが、具体的な手法についてはまだ試行錯誤の段階にあるため、この課題の解決をまずは目標とする。光量を上げることもあわせて検討し、種々の加工を試験する。目標としては斜め視点から表面に投影された文字の判別ができる程度を目指す。また、ID埋め込み技術については提案手法の新規性が評価されており、この点について重点的に研究を進めていく。具体的には、認識可能なID数の制限を実質的になくす手法について試験を重ね、安定的なID認識手法を確立することを目指す。また、あわせて確実なファイバ加工手法についても研究を進め、IDの捏造を困難化する手法についても研究を展開していくことを考えている。タッチ検出手法については計画を変更し、これまでに確立した手法に狙いを定め、その認識精度を向上させることを図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
提案デバイスの加工に3Dプリンタが有効に使えることがわかったため、3Dプリンタ用の樹脂を多く利用することを計画している。積極的に国際会議等でのデモ展示を行っていくため、輸送費や梱包費を使用する。画像提示には液晶ディスプレイ方式だけでなくプロジェクタを使用する手法もあわせて研究していくために、プロジェクタの購入を検討する。
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