研究課題/領域番号 |
23700096
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
鄭 顕志 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (40434295)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | センサモデル / 対象追跡システム / 無線センサーネットワーク |
研究概要 |
平成23年度では,まず,個々のセンサノードの感度調整を可能とするための,感度を調整可能なセンサモデルを提案した.従来,ハードウェアによって決められていたられていた感度を,ソフトウェアによって調整可能とするセンサモデルを提案した.距離センサは単純な機械だが,センサノードはコンピュータであり,プログラムによって動作を変更可能である.そこで,距離センサから得られた観測値を,ソフトウェアによるフィルタにかけることによって,センサノードが出力する値を変更する.次に,センサモデルの静的設定手法を提案した.システム全体を期待される感度に調整するためには,各ノードの感度を注意深く設定しなければならない.全ノードのセンサモデル設定を同一に設定した場合,システム全体の感度はノードが密な地域では高く,疎な地域では低くなる.この場合,ノード配置によって各地域で感度にばらつきが出てしまうため,全ての地域で要求された感度を最低限で満たすことができない.従って,ノードの配置状況に応じて各ノードのセンサモデル設定を適切に決定する必要がある.そこで,ノードの配置に応じて各ノードのセンサモデル設定を適切に調整するアルゴリズムを提案した.これらの成果を電子情報通信学会論文誌にて発表した.また,観測データに誤りが含まれる場合でも高精度の観測を行うための,データエラー検知/除去手法を提案した.この成果は国際会議にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り,平成23年度では準備項目"感度を調整可能なセンサモデルの提案"と研究テーマ1"センサモデルの静的設定アルゴリズムの提案"を達成し,センサモデルと静的設定アルゴリズムを提案できた.また,それらの成果を論文誌として公開できた.また,提案手法を評価するために実システム上に提案手法を実装し,性能評価を行った.この実システムに夜評価の過程において,実システムでは観測データに多量のエラーが含まれ,追跡精度を大きく低減させることが明らかになったが,データ内のエラーを除去する手法を提案することでこの問題を解決し,その成果を国際会議で発表できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度では,当初の予定通り,23年度の成果を踏まえて,研究テーマ2"センサモデルの動的設定アルゴリズムの提案"を実施し,研究課題を解決する.また,センサノードを増やして規模を大きくした実験の準備を行う.また,23年度に達成した成果と24年度に行った成果を国際会議,論文誌等で発表する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
まず,23年度で購入したセンサノードに加え,新たにセンサノードを購入し,大規模実験の準備を行う.また,研究成果の発表として国際会議2件,論文誌2本の発表を行う予定である.
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