研究課題/領域番号 |
23700096
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
鄭 顕志 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (40434295)
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キーワード | 無線センサネットワーク / センサモデル / 自己修復 / センサエラー |
研究概要 |
平成24年度は年次計画に従い,研究テーマ2「動的設定アルゴリズムの提案」に関する研究を実施した.研究テーマ1では,システム全体として期待される感度を満たしつつ通信量を低減するために,各センサノードの感度を調整可能なセンサモデルと,システム全体の感度と通信量を調整するセンサモデル設定手法を提案したが,研究テーマ2ではそのセンサノード毎のセンサモデル設定をノード配置に応じて最適化することを目的としている. 各ノードのセンサモデルに対する適切な設定値はノードの配置に依存し,ノード毎に異なる.本手法では,各センサノードの計測値を時間的・空間的関係から分析し,各ノードの計測データに含まれるエラーを実行時に特定し,検知されたエラーの種類に応じて各ノードのセンサモデルを調整する手法を提案した.本手法を用いることで,実行時に各ノードから得られる計測値のエラーを除去するよう,動的にセンサモデルの設定値を変更することが可能となり,期待される感度を保ったまま通信量を抑えるセンサモデル設定を行うことが可能となる.また,各ノード毎のエラー検知,分類に対して,機械学習を組み込む手法を提案した.学習機構を用いることで,実行時の環境変化に適応したセンサモデル設定が可能となり,エラー検知,分類の精度を長期間運用しても低下を免れることを示した.これらの成果は国際会議,海外論文誌にて発表した.特に国際会議SENSORCOMMではベストペーパに選ばれた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の年次計画通りに進行している.24年度では動的設定アルゴリズムの提案が達成目標であったが,24年度内においてセンサモデルの動的調整アルゴリズムを提案,評価し,その成果を国際会議にて発表している.従って,目標を達成できていると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
当初の年次計画に従い,実施する.平成25年度は,これまでに提案した手法に基づきシステムを実装し,運用評価を行う.また,その実験過程で得られた結果を各提案手法にフィードバックし,手法の改善を図る.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残金は234,521円である.平成24年度で実施できなかった研究成果発表として,平成25年度において海外出張費として使用する予定である.
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