研究課題/領域番号 |
23700104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
熊谷 潤 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90548702)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 屋内ナビゲーション / LBS / モバイル / 屋内測位 |
研究概要 |
商品位置を元にした屋内ナビゲーションシステムを開発するにあたり,本年度は以下のことを行った.1.対象ビル内のテナント情報や商品情報との位置情報の関連付けや画像情報の整備:屋内ナビを行うためには,屋内空間に関する情報の整備が必要である.そこで,テナント情報やテナントが扱う商品情報,イベント情報,画像情報の整備を行った.具体的には,まず地理情報データベース構築ツールを使用し,テナントを3次元フロアマップ上に登録し,テナントの基本情報や位置情報を整備を行った.次に,商品情報やイベント情報の整備として,常時取扱いのある代表的な商品や新製品,飲食店のメニューデータなどを地理情報データベースに登録し位置情報と関連付け整備を行った.最後に,画像情報の整備として,ウェブサイトなどに既存の商品画像データがある場合は,実験用にそれらの画像を取得し整備した.2.位置情報を含んだ商品検索の仕組み作り:利用者がモバイル端末上で,ネットショッピングサイト上で検索するのと同様に,複合施設内で取り扱っている商品を横断的に検索できる商品検索システムの開発を行った.3.商品の位置情報と現在位置の取得:フロアマップ上にユーザの現在地,選択した商品の位置を表示できるフロアマップシステムの作成を行った.具体的には,選択された商品の位置情報については,扱われているテナントと関連づけることによって位置情報を取得した.次に,利用者の現在位置情報については,wifi による位置情報取得方法を利用した.また店舗に訪問した際にその店舗を選択するチェックインシステムを追加することにより,該当の店舗に到着時に位置の取得が可能となった.これにより利用者の現在地や立ち寄った施設を把握することが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
商品位置を元にした屋内ナビゲーションの研究開発にあたり,以下の項目については予定通り進めることができた.・対象ビル内のテナント情報や商品情報との位置情報の関連付け,画像情報の整備・位置情報を含んだ商品検索の仕組み作り,商品の位置情報と現在位置の取得しかし,wifiによる測位システムを導入する際に,実際の現場での測位検証に想像以上に時間がかかった.そのため,ユーザの現在位置と選択した商品位置とを使用し,フロアマップ上に経路を表示するための屋内経路検索エンジンの研究開発に着手できなかった.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,まず本年度に着手できなかった屋内3次元経路検索エンジンの研究開発に着手する.具体的には,利用者の位置情報,選択された複数の商品の位置情報を使用し,これらをまわる最短ルートを返す経路検索エンジンを作成する.屋内の3次元空間であるため,屋内のネットワークを元にエレベーター,エスカレーターや階段などを考慮した経路検索エンジンを開発する.次に,整備した商品情報,イベント情報,テナント情報をもとに,開発した本システムを対象エリアで被験者に実際に使用してもらい評価実験を行う.具体的には,まずは被験者の実際の行動を把握するため,Wi-Fi を使用した測位およびcheck-in 機能を使用して一定間隔で移動履歴を記録できる仕組みを作成する.そして,被験者には,本システムを利用してもらい,複合施設内を自由に行動してもらう.被験者への了承のもと,バックグラウンドで被験者の移動履歴の記録を行う.最後に,本システムに関する利便性やナビゲーションの正確性や選択した商品の購入有無などについて,実験後に被験者イタビュー調査を行い,開発したシステムに関して評価を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画については,まず屋内3次元経路検索エンジンの開発のためのサーバや通路ネットワーク整備などに使用する.次に,実証実験行うための費用として,本番環境のサーバ,実験現場の通信環境の整備やモバイル端末費や実験記録撮影のために使用する計画である.また被験者や実験補助者への謝金,国内外の学会へ参加費や論文投稿など成果発表に使用する計画である.
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