研究課題/領域番号 |
23700107
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸山 一貴 東京大学, 情報基盤センター, 助教 (30377014)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
キーワード | 情報検索 / ユーザインタフェース |
研究概要 |
今年度は、予備実験で実現していたPVの生成手法を見直すための、調査と実装方法の検討を行った。予備実験ではブラウザを自動制御してWebページの一部を切り出し、PVを生成していたが、ユーザのリクエストに応じて多数のPVをリアルタイムに生成することが難しかった。そこで、ブラウザのレンダリングエンジン部分だけを利用したPV生成について調査を進めてきた。当初はSafariで利用されているエンジンであるWebKitのみを検討していたが、動作環境を限定してしまうことや、研究用計算サーバとして利用するハードウェア選定への制限も考慮して、Firefoxで利用されているGeckoも並行して調査を行った。数万行に及ぶソースコードを精査しながら、効率的に実装する方法について研究を行っている。いずれのエンジンを利用するか、最終的には実行速度や移植の容易さも含めて決定する。実施計画に従って、PV生成を行う研究用計算サーバの調達も行った。本計画の構想初期に想定していたハードウェアは調達できなくなっていたが、予備実験で採用した方式、検討と実装を進めている新方式のいずれでも性能を発揮するような構成を選定した。このサーバは最終年度以降で、成果公開のためにも利用する計画である。本研究の目的と予備実験の結果について、国際会議で登壇発表を行った。参加者と議論を行い、先行研究や既存のサービスとの相違点を含めて、有用性について理解を得られたと考えている。また、検討中の実装方法について識者と意見交換を行うため、プログラミングに関する国内会議に参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本計画の立案時に想定したハードウェアが入手できなくなったこと、成果物をより広く活用してもらうことから、実装のベースとするシステムとして別の候補も検討した。結果として、当初計画したキャッシュシステムが実装できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
より高速なVP生成システムを実装し、本研究の中心的な課題であるVP同士の比較と分類について研究を進め、ユーザ実験による有用性の検証を行う。研究で使用する主な物品はほぼ調達が完了しており、本研究の成果について国内外の会議で発表を行う計画である。今年度に実装を完了できなかったVP再利用のためのキャッシュシステムは、一般への成果公開に当たってシステムの応答性を高めるものであり、中心課題を行った後に実装するよう計画を変更した。
|
次年度の研究費の使用計画 |
国内会議及び国外会議への旅費及び参加費の支出と、ユーザ実験の被験者と補助者に対する謝金の支払いを予定している。また、成果についてまとめた資料の印刷費や、重要なデータのバックアップ用メディアにあてる予定である。
|