【最終年度に実施した研究の成果】 クラス分類器の訓練の際、精度向上に有用な少数の学習サンプルを選択するアクティブラーニングの考えを取り入れた。また、ユーザにより、クエリの入力、検索結果と学習サンプルの閲覧、学習サンプル中検索対象人物を含む画像の選択が行えるインタフェースを構築し、ユーザが選択を誤った場合も、検索精度にほぼ影響を与えないことを確認した。さらに、画像コレクションをあらかじめ人物集合の階層構造に従い構造化し、クエリ画像との比較を行う画像を上位階層から下位階層へ絞り込む方法を考案し、比較画像を大幅に減少した上で、ほぼ同等の検索精度が得られることを確認した。 【研究期間全体を通じて実施した研究の成果】 本研究では、集合写真には家族や友人など同じ人物集合が頻繁に共に撮影されることに着目し、多くの集合写真から特定人物を含む画像を人物の共起関係を考慮して検索するシステムを構築した。具体的には、画像内の各人物の顔の見た目とその共起関係を同時に表現する人物共起特徴空間において、検索対象人物を含む画像と含まない画像を分類するクラス分類器を訓練し、検索対象人物の検索に有効な顔の見た目とその共起関係を学習する。このクラス分類器により検索対象人物を含むと判定された画像を検索結果としてユーザに提示し、ユーザがフィードバック情報として与える正解/不正解のラベルの付いた少量の画像に基づきクラス分類器を再度訓練する。190個の人物集合を構成する226名の人物の集合写真1791枚に対し、32名の集合写真107枚をクエリ画像として検索を行った結果、フィードバックごとに検索精度が向上し、15回のフィードバック後、適合率100%、再現率85%となった。また、1791枚の画像をあらかじめ人物集合の階層構造に従い構造化した結果、画像検索時に比較する画像枚数を約20%に減少した上で、同等の検索精度を得た。
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