研究課題/領域番号 |
23700126
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (20406812)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | スマートデバイス / ピクトグラム |
研究概要 |
第一に,急速に普及が進んだスマートフォンやタブレット端末の利用動向や関連技術について調査をまとめた.研究成果は学会誌への掲載やモバイル関係学会で発表した.モバイル端末での表示形式を念頭に入れた上で,メタテキストの内容を検索し,ピクトグラム表示させる様な単純なアプリケーションを実装した.障害者生活支援,幼児の概念教育や異文化コミュニケーション支援の分野でコミュニケーション実現や意思伝達の手段として,このような簡易なアプリケーションでも利用価値はあることは既に先行研究でも明らかにされている.しかしながら,PCや旧世代の携帯電話では,入力方式や操作性に関して限定される.カメラ,GPS,センサー(傾き,光,近接)による暗黙的入力とタッチパネルやマイクによる明示的入力を併用したインタラクションについて検討した. 今回,学際領域における教育活用にフォーカスを当てた.理由としてコンテンツ自体にピクトグラムを適用するケースとコンテンツ間の関係を媒介としてピクトグラムを用いるケースを同時に試行可能なためである.複数の学問領域を横断的に学ぶことができる学部では,複数の教養科目とそれぞれの研究領域の基礎科目を幅広く習得することになるが,そのため学習内容が一体どの様に今後役に立つのかわかりにくく,学生の知的好奇心を養成しづらい.理解を促進させる目的でピクトグラムを挿入した授業資料,プログラミング授業での課題作成にピクトグラムを取り入れた演習を用いるなど,実際に授業で利用した.さらに,ピクトグラムの様な抽象的表現を媒介に使うことで,科目やそこで使われる教材間のネットワークを構築していく.これまでに,教材で使われる語彙の関連をスマートデバイス上で簡易に付与できるwebアプリを実装した,データ工学関係の学会で発表し,非常に高い評価を得た.このプロトタイプにピクトグラムを組み込み拡張していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ピクトグラムの表示方法には次の4通りに大別されると考えている.1)サイン,シグナル,インデックス(文字による補助表示が必要なものも含める)2)コミュニケーション,意志表現(ピクトグラム単独で表現するもの)3)コミュニケーション,意志表現(文字による補助表示が必要なもの)4)文章の挿絵(イラスト)PCの場合,固定位置に設置されるため利用シナリオが限定される.試作アプリケーションを複数設計したが,今年度予想以上の急速な普及により,スマートフォンやタブレットではさらにコンテクストや環境に依存した幅広い利用想定が見込まれたため,そのリサーチに時間を要した.教育分野での利用を模索し,学生や生徒の利活用実態調査も優先させることとしたため,本来の進捗予定より多少遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今年度もスマートデバイスの諸分野での利用動向やピクトグラム利用動向調査を引き続き行う.状況や文脈を考慮した絵記号の提示.絵記号の同化作用について多様な分野で活用を視野に調査を行う. また今年度はアプリケーションやコンテンツの開発に注力する.
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次年度の研究費の使用計画 |
年度初頭に数台程度のスマートデバイスおよび複数のデバイスを一括で充電,同期できるサーバを購入予定である.また研究成果は積極的に公開し,学会発表を行っていくための旅費を計上している.アプリケーション実装のためのプログラミング補助や資料整理のために人件費を計上している.
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