研究課題/領域番号 |
23700126
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 准教授 (20406812)
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キーワード | ピクトグラム / スマートデバイス |
研究概要 |
最近の調査では,大学生の9割が既にスマートフォンであるという結果がある,また別の調査ではすでに半数近くの高校生がスマートフォンを所有しているという結果もある.そのような普及期,成熟期においては1) 学生が自己判断に基づき自然体で授業中モバイル端末を扱えること.2)「如何に使うか」を考えるだけでなく「如何に使わないか」を考えていくことが重要である.スマートデバイスの日常的利用が認知,心理,行動など身体や心に与える影響について早い段階から認識してもらう教育が大切であることが調査によりわかってきた.そこで,集団活動におけるスマートデバイス利用の規範意識を育成するのが主目的とするシステム「GOSEICHO」を開発した,本システムの最大の特長は,人型のピクトグラムを用いている点である.ピクトグラムは抽象性の高い概念のシンボルなので,人型の標準的なピクトグラムは知覚レベルでは,「人」という概念を想起させる.一方認知レベルでは,利用者の持つ知識や状況,それを駆動する能力により具体的な人物とマッピングされる.「ご清聴ありがとうございます」の発話および表示テキストの主体であるピクトグラムは,発表者と見なす者もいれば,他の聴衆と見なす者,自分自身の投影と見なす者もあり得る.写真では映っている特定の事物を想起し,イラストでも写実性の度合いに応じて想起の対象が限定されてしまい,ピクトグラムを使用した場合の同一視対象の多様性は生じにくい.開発システムの特徴は,大部分の参加者がご清聴しているという現状が背景にあることを連想させることになり,その現状には従わないといけないような心理になりやすいという集団同調バイアスの効用と,ご清聴のパラダイムを基本設計にしている点にある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
システムの開発に注力したため当初の予定よりやや遅れている.実験分析評価に関して優先後を下げ,スケジュール的に必ずしも厳密でなくてよいと考えていた.スマートフォン(及びタブレット)の利用リテラシについては特に次年度大きな社会問題になると予測していたのが理由である.
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今後の研究の推進方策 |
実装システム「GOSEICHO」の拡張を継続する.特に実験分析については,心理学分野の専門家のアドバイスを受けながら行なう予定である.また社会情勢と合わせ,気づきによるスマートフォン利用リテラシーを醸成する仕組みを検討することが当初の研究計画との変更点である.
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次年度の研究費の使用計画 |
システムの開発に注力したことにより当初の予定より遅れているため. 主に,システム開発および実験,分析に係る人件費として使用する.また研究成果を発表するための学会参加費,旅費に使用する予定である.
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