研究課題
最終年度は、これまでに開発したウェブセンサの基礎的技術を拡充および改善し、様々な現象を人々が体験した上で記述された大量のウェブ文書から時空間依存データをより高精度に抽出するウェブセンサシステムの研究開発を進めた。関連する学術会議に積極的に参加して情報収集し、ウェブからの知識抽出に関する最新の抽出手法もシステムに導入した。実世界の現象やオブジェクトに関して、テキストデータだけでなく画像データをウェブセンスする技術の改善も行った。また、これまで主に使用してきた気象統計や地震統計だけでなく、インフルエンザの流行や交通事故など、多種多様な現象についてリアルセンサあるいは人力による時空間依存データを収集し、ウェブ抽出した時空依存データとリアルセンサデータとの相関に関して現象の種類への依存性、従来のウェブ文書やブログ、マイクロブログ(Twitterなど)、ソーシャルネットワーキングサービス記事(Facebookなど)、ニュース記事など、情報ソースの種類によって、抽出された時空間依存データと実世界との相関に違いがあるのかなど、様々な側面からウェブの実世界センサとしての可能性や信頼性の詳細な調査を行った。その結果、ブログ記事がウェブセンサのコーパスとして最も適している事、現象に依って相関の強さや遅延日数に差が出る事などが明らかになった。さらに、ウェブセンサデータの活用方法として、相関(信頼性)の高い現象に関する時空間依存データはどのようにユーザに呈示すればより良いか、相関(信頼性)の低い現象に関する時空間依存データはどのようにユーザに呈示すれば誤解の問題などを軽減できるかなどの検討も行った。実世界センサとしてウェブから抽出された知識データ(潜在的なニーズなど)に応じて、リアルタイムに実世界に反映し、実世界(スマート空間)でのサービス配置や構造を動的に適応させる仕組みの研究にも取り組んだ。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)
Journal of Automation and Control Engineering
巻: Vol.1 No.3 ページ: 192-197
10.12720/joace.1.3.192-197
International Journal of Computer Information Systems and Industrial Management
巻: Vol.5 ページ: 79-88