本研究の目的は,計算機が人間の調理行動を認識し,状況に応じた支援をおこなうために,レシピから調理行動認識用モデルへの変換手法を確立することである. 平成25年度は前年度で構築していた「物を置く」「食材を混ぜる」といった調理動作の認識方式,および食材の見え方の変化を検出し加熱の進行度合いを認識する方式を統合し,レシピの最初から最後まで,調理がどの段階まで進んでいるのかを認識できるようにした. ホットケーキのレシピを例題として,牛乳,ホットケーキミックスといった材料を取り出し混ぜている動作,ホットケーキをフライパンに注いでいる動作,ホットケーキの加熱がどの程度進んだか,といった調理の進行を認識するためのモデルを生成し,そのモデルに基づいて,3次元センサやカメラ,加速度センサから出力されるデータを利用し,調理の進行を認識することができた. 加えて,システムとユーザのインタラクションに利用するエージェントも作成し,認識結果を送信することで,調理の進行に応じたレシピを自動的に表示したり,後どの程度の時間加熱すればよいかといったアドバイスを提示したりすることも可能とした. 以上の研究成果は,国際会議で2件の論文としてまとめて,発表した.
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