研究課題/領域番号 |
23700136
|
研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
CHEUNG GENE 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 助教 (40577467)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 国際情報交流 / signal representation / multiview video coding / video streaming / 3D visual interaction |
研究概要 |
研究実績は以下の三点に要約される。一点目は3D visualのコンパクトな圧縮表示。二点目はビデオストリーミングの損失回復。三点目はビジュアルデータインタラクションにおける視線の予測。一点目に関しては、我々が開発した"transform domain sparsification (TDS)"と呼ばれる技術を使うことにより、奥行き画像の符号化が向上した。この技術によって、synthesized view qualityに、通常の技術と比較して2dB近くの増加を観測した。これらの成果についてはIEEEの会議で2本の論文を発表した。第二点目は、損失ネットワーク上でのビデオストリーミングのcooperative peer-to-peer repairを用いて、パケット回復が調査された。この研究に関しても、2本の論文をIEEE会議で発表した。三点目については、end-to-end media interaction delayを防止するために、観測者の視線が予測された。この研究結果についての論文は、2つの会議において採択された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
奥行き画像の符号化の分野では、我々は研究をリードするグループの一つであり、我々の論文はしばしば引用され高く評価されている。また我々研究チームは、マルチビュービデオストリーミング研究の先駆者でもあり、interactive view-switching aspectにフォーカスを置く革新的な研究手法は、他研究者とは一線を画している。ICMEに発表した視線の予測に関する論文は、最優秀論文の候補にノミネートされた。この新鮮で将来性のあるリサーチトピックは、研究者の注目と関心を集め、共同研究の申し出を数多く受けている。
|
今後の研究の推進方策 |
一点目の研究テーマについては、典型的な動画圧縮に代わり、デコーダーのinteractive view synthesis のための"compact representation" に、より一層の焦点を当てて研究を進めていく。ここでは、何を符号化するかの判断(例えば、適切な解像度での対象物のテキスチャーと奥行き画像)が、どうやって符号化するか(よく知られたH.264やHEVCといったコーディングツールを用いる等)ということより、一層重要になってくる。二点目のテーマに関しては、マルチパース伝送のためのtexture-plus-depth formatにおける自由視点ビデオのmultiple descriptionの研究をスタートしている。ここでは、single descriptionの受信が、reduced qualityでの正確な動画デコーディング構成を可能にする。三点目のテーマでは、観測者の視線や瞳孔の大きさなど身体的なサインから、意味情報(例えば、興味関心のレベル)を予測することの実現可能性を調査していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究機器に関しては、基本的なvisual communication system prototypeに必要な部品(カメラ、大型ディスプレイ、gaze trackerなどを含む)の大部分はすでに揃えられている。研究費は主に、国際学会参加に関連した支出、共同研究者であるインターン生等の招へいの渡航費などに使われる予定である。
|