研究課題/領域番号 |
23700136
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
CHEUNG GENE 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (40577467)
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キーワード | 国際情報交換 / signal representation / signal denoising / signal interpolation |
研究概要 |
研究実績は以下の2点に要約される。一点目は奥行き画像の符号化。二点目は奥行き画像のノイズ除去と補間。 一点目に関しては、去年開発したgraph-based transform (GBT)を用いて奥行画像の符号化手法を改善することで、現在のmulti-resolution GBTという符号化手法で符号化することになった。まず奥行き画像の輪郭を発見し、arithmetic edge coding (AEC)を用いて符号する。次は画像をlow-pass filteringとdown-samplingをし、低い解像度でGBTを用いて符号化する。decoderでは、inverse GBTとup-samplingを行い、符号化した輪郭をリカバリーした後にedge-based interpolationをすること。この手法を使って、従来技術よりさらに50%近くビットレートを削減することが分かった。その成果はIEEE会議で発表した。 二点目に関しては、撮影された時に奥行画像に入ったノイズが除去できる手法を提案した。まず画像の中に比較的に似ているパッチからaverage patchを計算し、average patchからGBTを計算する。そのGBTを用いて似ているパッチをsparsificationする。画像ノイズ除去に有名なBM3D手法により2dBの増加を観測した。1本の論文がIEEE会議に採択された。 GBTを用いて、画像の補間にも効果あることが判明した。最初の成果はIEEE会議で採択され、今月発表することになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
奥行き画像の符号化に関しては、学会論文に発表し、現在ジャーナル論文にまとめる準備をしている。 奥行き画像のノイズ除去も昨年度に初めて研究テーマとした。graph-based transform (GBT)を用いた手法は予測以上効果があり、今後も同じ方向に進めたい。 GBTを用いた画像補間はまだ発足したところで、今後も従来の補間技術とうまく組み合わせてアルゴリズムを検討したい。
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今後の研究の推進方策 |
一点目の研究テーマについては、奥行き画像の符号化アルゴリズムの開発をスピードアップし、リアルタイムで実行できるように検討したい。 二点目に関しては、奥行き画像を撮影するカメラのメカニズムを理解し、発生するノイズの相関性を学習する予定である。ノイズの相関性に応じて、除去アルゴリズムを設計する予定である。 三点目は、GBTだけではなく、従来画像補間技術で使われてきたtotal variationなどのimage priorとうまく組み合わせして手法を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は主に、研究開発のためのノートパソコンの購入と、国際学会に関連した支出、共同研究者であるインターン生等の招へいの旅費などに使う予定である。
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