研究課題
本研究では、5指に3軸の力覚を提示可能な多指力覚提示装置を用い、3次元空間において、人間の手指を用いた正確で効果的な技能教示が可能になる技能訓練システムの構築を目的としている。その中でも本年度は、自習と指導を行えるハイブリッド型手指技能訓練システムの構築を行い、これまでの研究を総括した。また、本研究との関連が深い人間の知覚特性の計測および多指ハプティックインターフェイスに関する研究を平行して行った。具体的には、これまで研究開発した、記録しておいた熟練者の指先位置・指先力を初学者へ提示するフィードフォワード型訓練法(自習に対応)、および、仮想環境において技能を学習中である初学者の動作を熟練者がリアルタイムで感じ、初学者が誤った操作をした場合、適宜修正することができるフィードバック型訓練法(指導に対応)を組み合わせることで、自習と指導を行える、3次元空間でのハイブリッド型手指技能訓練システムを構築した。また、市販のシリコン製乳癌触診訓練モデルと同程度の柔らかさをもつ仮想モデルを仮想環境上に再現し、手指技能訓練システムの評価を行った。技能習得には、反復練習(自習)だけではなく、指導者による適切な教示(指導)を組み合わせることが重要であると知られており、これらを行える本提案システムは、効果的で信頼性の高い高度技能訓練システムであると考えられる。また、本提案課題で得られた研究成果をまとめ、国内外での研究発表、学術論文誌への論文投稿を行い、成果の普及に努めた。
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Robotica
巻: Vol.31, No.8 ページ: 1251-1261
10.1017/S0263574713000465
Journal of the Franklin Institute
巻: Vol.50, No.9 ページ: 2664-2677
10.1016/j.jfranklin.2013.06.004