本事業では、様々な場所や身体に設置または装着可能で、さらにハンドヘルドが可能であるようなProcamsを開発した。具体的には、遠隔協調作業のために作業環境を広く撮影する必要があり、かつ身体性を維持した入力を実現するために、高画角のカメラと赤外線ベースの深度カメラ、そのようなカメラの画角に合わせAR情報を投影するために、高画角投影可能なプロジェクタを一体にしたものを作成した。 この高画角撮影かつ高画角投影が可能なProcamsを使い身体性を考慮した指示者指差しの実世界重畳表示による一人称視点の遠隔協調作業システムを構築した。具体的には、開発したProcamsを現場に取り付け、そして同様に指示側の天井にも固定し、その下に指示者用のテーブルトップインタフェースを設置した。基本的には、作業者側の作業環境を撮影し、それを指示者側のテーブルトップインタフェースに表示し、表示された映像に対して指示をしている指示者の腕や指を赤外線の深度センサによって切り出し、腕の部分だけを作業者側に投影する機能を実装した。さらに、腕のみを切り出すことによってこの腕を小さくして表示する身体動作を拡大縮小することで、現場作業において細かい部品の指定や小さなボタン操作などを的確に行える機能も実装した。これらの研究結果から、身体動作画像の拡大縮小表現手法は,細かな箇所を指定する作業において有効であること,さらに,小さな対象への指示に対して有効であることが分かった。 さらに、この開発した様々な場所や身体に設置または装着可能で、さらにハンドヘルドが可能であるProcamsを使い、現実世界のオブジェクトを手軽に素早く三次元データに変換可能なハンドヘルドデジタイザを開発した。
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