研究課題
本研究課題では,屋内環境と同一形状を有する3次元モデルとカメラからの入力画像とを比較することで実環境でのカメラの位置と方向を推定するカメラ位置認識手法を開発する.さらに,推定されたカメラの位置と方向に基づいて,入力画像にCGオブジェクトを重畳合成するヒューマンインタフェースシステムを構築する.これまでにドアや窓などの四隅部分を特徴点として入力画像とモデル画像との対応付けを行うことで,カメラの位置と方向を推定する手法を提案した.この手法では,テンプレートマッチングにより特徴点の抽出および追跡を行っている.とくに,特徴点の抽出には局所的な探索を行うことで処理の高速化を図っている.しかしながら,テンプレートマッチングは入力画像が回転した場合には,特徴点の抽出が困難となる.そのため,この手法では,カメラが光軸方向に回転した場合には,入力画像とモデル画像との対応付けが行えない場合がある.そこで,平成24年度には,この問題を解決するために回転やスケール変化に頑健な特徴量であるSURF特徴量と確率的Hough変換を用いて特徴点の抽出および追跡を行う手法の提案を行った.この手法では,これまでと同様に特徴点にはドアや窓などの四隅部分を用いる.まず,入力画像から線分の抽出が行える確率的Hough変換を用いてエッジ部分の線分を推定し,その線分の交点から特徴点を抽出する.そして,特徴点の周囲のSURF特徴量を求め,フレーム間でのSURF特徴量の移動量を求めることで,特徴点の移動位置を推定する.これにより,提案手法はカメラが光軸方向に回転した場合においても特徴点の抽出と追跡が行える.さらに,提案手法を適用してカメラの入力画像にCGオブジェクトを重畳合成するヒューマンインタフェースシステムを構築した.そして,入力画像に合わせたCGオブジェクトを重畳合成することが可能であり,その有効性を確認した.
すべて 2012
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Asia-Pacific Journal of Industrial Management
巻: Vol.3, Issue 1 ページ: 1-11