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2012 年度 実績報告書

モンテカルロ木探索の汎用的高速化手法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700158
研究機関東京工業大学

研究代表者

美添 一樹  東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 研究員 (80449115)

キーワード並列探索 / 探索アルゴリズム / 並列化 / 乱択アルゴリズム / 囲碁
研究概要

モンテカルロ木探索の汎用的かつ大規模な並列化手法を確立することを目標として研究を行った。探索アルゴリズムの並列化は難しい課題だが、二人ゲームにも適用可能な探索アルゴリズムの並列化は特に難しいことが知られている。モンテカルロ木探索の並列化についても既存研究では数十倍の速度向上が限界な上、対象も囲碁に限られていた。
本研究の成果としてモンテカルロ木探索の大規模並列化を可能とする TDS-df-UCT アルゴリズムを提案した。本手法は適用対象を特定の問題に限定するものではなく、また速度向上も従来の研究を大幅に上回る最大約3,200倍の高速化を実現している。これは仮想ゲーム木を対象とした実験で、東工大TSUBAME2スパコンの4,800コアを用いて達成したものである。目標は数百倍以上の速度向上を得ることであったが、研究当初の目標を大幅に上回る性能を達成することに成功した。
この性能は分散ハッシュ表を用いた並列探索手法と、探索アルゴリズムの深さ優先型への変形を組み合わせた手法によって達成された。分散ハッシュ表を用いた手法は従来はA*探索以外では大きな速度向上が得られていなかった。並列計算には必須であるコンピュータ間の通信が、一極に集中することによるオーバーヘッドが最大の問題であった。申請者は探索アルゴリズムの深さ優先変形手法などによってこの問題を回避し、モンテカルロ木探索においても高い速度向上を得ることに成功した。これらの手法は探索対象の問題の性質によらない汎用的な手法である。
汎用的な探索アルゴリズムであるモンテカルロ木探索における汎用的な並列化手法を提案したことは、探索アルゴリズムおよび並列計算の双方の分野にとって有用な貢献である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Accelerated UCT and Its Application to Two-Player Games2012

    • 著者名/発表者名
      Junichi Hashimoto, Akihiro Kishimoto, Kazuki Yoshizoe and Kokolo Ikeda
    • 雑誌名

      Advances in Computer Games 13 (ACG13)

      巻: Vol.13 ページ: 1-12

    • DOI

      DOI:10.1007/978-3-642-31866-5_1

    • 査読あり
  • [図書] コンピュータ囲碁 ―モンテカルロ法の理論と実践―2012

    • 著者名/発表者名
      美添 一樹
    • 総ページ数
      222
    • 出版者
      共立出版

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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