研究課題/領域番号 |
23700206
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 隆治 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (40432546)
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キーワード | 画像処理・認識 / 生体工学 / 情報工学 / 骨関節 / 3次元動態 / 統計動態モデル |
研究概要 |
本年度(平成24年度)は、前年度(平成23年度)で開発した骨関節統計動態モデルの表現法・正規化法の改良を行い、人工膝関節のデザインや動作(スクワット動作、椅子からの立ち座り動作、歩行動作)だけでなく、他の関節(人工股関節、人工肘関節、膝関節)にも応用可能な汎用的な関節統計動態モデルの構築法を開発した。具体的には、関節の相対的な動きをモデリングする手法、および時間で正規化した絶対な動きをモデリングする手法を開発した。本手法によって構築した関節統計動態モデルの記述精度を検証したところ、十分に自動解析が可能な精度を有していることが確認された。 本手法によって構築された人工膝関節の統計動態モデルを、2次元/3次元画像位置合わせ技術に導入したシステム(前年度のプロトタイプを拡張・改良したシステム)を用いて、関節自動3次元動態解析の性能評価を行ったところ(25例のデータをleave-one-out交差検定により実施)、臨床要求精度(1mm、1°以内)を満たす範囲では、80%以上の自動化率(100枚の画像のうち80枚以上の画像)で動態解析が可能となり、当初目標としていた性能以上の成果が得られた。 人工膝関節以外の関節(人工股関節、人工肘関節、膝関節)の中で、特に前年度(平成23年度)データ数が少なかった膝関節については、適切な被検者や解析協力者を少なからず集めることができ、現在まで14例の3次元動態解析を実施、引き続きデータ収集を含めデータベースの整備を進めている。また、他の関節を含めた関節自動3次元動態解析システムの拡張を一部試み、予備実験を行ったところ、さらに自動化率が向上する可能性があることが期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
人工膝関節のデザインや動作(スクワット動作、椅子からの立ち座り動作、歩行動作)だけでなく、他の関節(人工股関節、人工肘関節、膝関節)にも応用可能な汎用的な関節統計動態モデルの構築法を開発できたため。また、人工膝関節の動態解析を対象とした、プロトタイプを拡張・改良したシステムを用いた性能評価では、臨床要求精度(1mm、1°以内)を満たす範囲で80%以上の自動化率で動態解析が可能となり、当初目標としていた性能以上の成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き各種関節(人工膝関節、人工股関節、人工肘関節、膝関節)のデータ収集を含めデータベースの整備を進める。必要に応じて骨関節統計動態モデルを応用した関節自動3次元動態解析システムの拡張、改良、評価を行い、システムの性能(精度と自動化)を限界まで向上させる。また、本システムの開発・研究において得られた結果をまとめ、成果発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。また、請求する研究費は、主にシステム開発に必要な物品費や成果発表の費用(旅費)として使用する予定である。
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