研究課題/領域番号 |
23700210
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
波部 斉 大阪大学, 産業科学研究所, 特任講師(常勤) (80346072)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 防犯カメラ / 映像監視 / コンテクスト / 多カメラ / 人物検出 / 相互関係 |
研究概要 |
本研究において鍵となるアイデアである「場所依存コンテクストを用いた人物検出」および「場所依存コンテクストを用いた人物相互関係モデリング」について基礎検討を行った.その結果得られた成果は以下の通りである.まず,「場所依存コンテクストを用いた人物検出」については,その基本となるランダム・フォレストを用いたアンサンブル学習について,基礎的な検討を行ってきた.まず,ランダム・フォレストを一般的な画像認識・コンピュータビジョンに適用したときの課題およびその解決法について調査・検討した.その成果については,2012年5月に情報処理学会CVIM研究会において報告する予定である.その成果を踏まえて,本研究において鍵となる,人物検出に適用した場合の場所依存コンテクストの表現・学習・利用の方法について検討を開始した,そのために必要なデータについては,当初2~3カ所で撮影することを予定したが,幸い10カ所で撮影することができたので,それを活かした検討を行っているところである.次いで,人物相互関係モデリングについても基礎検討を行った.そこでは,まず人の目で人物の相互関係を観察して本研究の用途に適した情報があるかどうかを確認した.先に述べた10カ所のカメラ映像の中から,典型的な例を選んで詳細に確認したところ,シーンの中での人通りに応じて人同士の距離が変わったり,シーン中に何か興味を引く物があればそこに人が立ち止まることが多いことが確認できた.これらを適切に表現することによって,人物相互関係モデリングが可能になると期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記入したとおり,当初計画どおり概ね順調に研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
1年目の今年度において,研究の基礎となるデータ収集,基礎検討が完了したため,2年目では総仕上げとして,より大量のデータによる検証,まとめ,対外発表を行っていく.次年度からは研究代表者が近畿大学理工学部情報学科に異動し,研究補助を行う学生を多く確保できるので,これらのまとめ作業を充実させる計画である.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度には,アルゴリズム開発・評価用計算機を当初予定より安価に導入できたため,そのために確保していた予算を次年度に繰り越すことになったが,それは次年度に購入予定の映像蓄積用サーバーの機能増強に充て,より多くのデータで実験を行う予定である
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