研究課題/領域番号 |
23700212
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 光平 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (70325570)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | テンソル / 一括処理 |
研究概要 |
従来のテンソルデータ解析手法では,対象とするテンソルデータは全て同一の形状であることが前提とされており,階数や次元数が異なるテンソルの集合をそのまま処理することは困難である.本研究では,従来手法による扱いが困難な異形状テンソルデータを一括して処理するための枠組みを提案し,その枠組みの中で種々のテンソルデータ解析手法を開発することを目的として,平成23年度から平成26年度までの4年間にわたり,新手法の開発,検証等に取り組んでいる.以下に,本年度の研究実績の概要を述べる.今年度は,対称2次元線形判別分析の非反復解法を提案し,提案手法により,従来の反復解法よりも少ない計算量で同程度の識別精度が得られることを実験で確認した.また,行列の一般化低ランク近似(generalized low rank approximations of matrices: GLRAM)において,低ランク近似後の行列の行数と列数を指定する必要があるという難点に関して,GLRAMを対称化することによって,半自動的に行数と列数を設定する方法を提案し,提案手法によって,従来手法と同程度以上の近似性能を保ちながら,行数と列数の設定が容易になることを実験で確認した.更に,2次元主成分分析の非反復近似解法を提案した.提案手法では,目的関数値が最大となるような変数の組合せを選択するので,従来手法よりも目的関数値を向上できると期待される.実際に,目的関数値を向上できることを,顔画像データベースを用いた実験で確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,従来手法による扱いが困難な異形状テンソルデータを一括して処理するための枠組みを提案し,その枠組みの中で種々のテンソルデータ解析手法を開発することを目的としている.今年度は,主に対称性に基づく3つの方法を開発し,いずれも良好な結果が得られていることから,本研究は,おおむね順調に進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,今年度に得られた知見に基づき,次元数の異なるベクトル,行列,テンソルの各種データの処理方法を開発し,その後,それらを統合する異形状テンソルデータ処理の枠組みを作り,各種データ処理に応用していく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,本研究に関する資料の印刷のためのプリンタトナー及びインク等の消耗品の購入と,研究成果発表や情報収集等のための旅費として,研究費を使用する計画である.
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