本研究では、指の皮膚内部の静脈を「生体内にあらかじめ配置されたマーカー」とみなし、それを活かして皮膚内部の変形を非侵襲的な観察やタッチインタフェースとしての応用を目指した。静脈は赤外線により観察される。まず皮膚表面の変位と内部(静脈像)の変位の関係を定量的に調べる実験を行った。そして静脈の変位の詳細な観察に向けて、拡大レンズを導入した。さらに超音波を利用して、撮像を妨げることなく皮膚表面に触覚刺激を与えた。また指表面に加えられた力の大きさと向き(4自由度X,Y,Z,θ)を推定するソフトウェアを開発した。最後にそれぞれの成果を整理・統合し、リアルタイムで動作するユーザインタフェースを開発した。
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