研究課題/領域番号 |
23700219
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
高橋 友和 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (90397448)
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キーワード | 画像、文章、音声認識 / 機械学習 / アルゴリズム |
研究概要 |
本研究は、監視カメラ映像中の向き,照明条件,解像度の点で低品質な顔画像を高精度に照合して人物を認識する手法を開発することを「研究の目的」としている。平成25年度は、特に「研究実施計画」に記載した「目的2) 高品質な照合用顔画像が利用できない状況を想定し,監視カメラ映像中の低品質な顔画像どうしを照合して人物を認識する手法を開発する」の達成を目指し、アルゴリズムの検討を行った。この手法は、空港など広い空間に分散して設置された複数の監視カメラから得られる映像を用いて特定の人物の移動経路を推定するような問題に有効である。そのような問題では、人物の顔画像と合わせて、人物の服装や体型、所持品などの情報を利用することが有効であると考えられる。そこで、服装や体型などの情報を得るために低解像度な人物画像を高解像度化する手法と、低解像度な人物画像から人物が所持しているキャリーバックやリュックサックなどの所持品を認識する手法の検討を行った。人物画像の高解像度化に関しては、本研究で開発してきた学習型特徴量変換を用いた。顔画像と比較して人物画像は姿勢や服装の違いによるバリエーションが大きいという問題がある。これに対して、姿勢の問題に対してはパッチベースの手法を用いることで、服装の問題に関しては画像の高周波成分のみを変換に利用することでこれらの問題の解決を図った。人体画像からの所持品認識に関しては、キャリーバッグやリュックサックなど所持品の種類ごとに、人物に対するそれらの所持品の相対的な位置や大きさの情報を知識として利用することによって、認識精度の向上を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究の目的」の中の「目的2) 監視カメラ映像中の低品質な顔画像どうしを照合して人物を認識する手法の開発」の実現に向け、人体画像の高解像度化と人体画像からの所持品認識の2つの有効な手法が検討できたため、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、本年度に検討した人体画像の高解像度化と人体画像からの所持品認識の2つの手法と、昨年度までに開発してきた顔画像の学習型特徴量変換を組み合わせて用いることにより、「目的2) 監視カメラ映像中の低品質な顔画像どうしを照合して人物を認識する手法の開発」の実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年9月から平成26年8月までの1年間、研究代表者が研究機関を離れることとなり、平成25年度中の研究課題の達成が困難となった。このことは、研究計画申請時には予測不可能なことであった。補助事業期間を延長して、平成25年度分の研究費の一部を平成26年度に繰り越すことができれば、研究課題は申請当初の計画通り達成可能となるため、補助事業期間延長を申請し、承認を受けている。 カメラなど、研究に必要な機材の購入や、研究成果発表のための学会参加費、旅費、研究成果をまとめた論文の投稿費用などのために使用する。
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